beacon

興國の“大黒柱”MF宇田光史朗は負傷離脱中も「絶対勝ってみんなで全国に行きたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF宇田光史朗(3年)

 興國高は12日、第101回全国高校サッカー選手権大阪府予選の決勝戦で履正社高と対戦する。10月下旬以降、右太ももの肉離れによって戦線離脱中のキャプテンMF宇田光史朗(3年)をもう一度ピッチに立たせるためにも、全国大会出場の権利を掴み取る構えだ。

 6日に行われた準決勝・桃山学院高戦の試合後、ゲームキャプテンを務めたDF西川楓人(3年)は力強く語った。「光史朗を全国に連れて行ってあげたいとしか考えていない」。宇田は10月30日に行われた中央トーナメント2回戦の賢明学院戦の朝、かねてより違和感を覚えていた右太ももの痛みを訴えて試合を欠場。約1か月の休養が必要だと診断されていた。

 それ以降、宇田は日々練習場で選手たちのサポートに徹し、声を出したりしながらキャプテンとしての役割を全うしてきた。その姿を間近で見てきた西川だけでなく、2年生で得点源を担うMF千葉大舞も「キャプテンが出られない中、全国で一緒に興國のプレーモデルを見せたい」と述べ、復帰の舞台をつくってあげるモチベーションは高い。

 さらには全国で“興國らしいサッカー”を見せるためにも、アンカーで攻守の要を担う宇田の力が不可欠だ。内野智章監督は準決勝の試合後、PK戦に持ち込まれた要因として「ああいうサッカーだと極端にやっぱ宇田がいないことが露呈したなと。相手を見て、どう攻めるか、どう守るかというところで、やっぱり宇田がいないとしんどい相手だった」と振り返り、宇田の存在の大きさをほのめかしていた。

 また西川も「前は光史朗がずっとオーガナイズしてくれていて、自分は後ろだけオーガナイズしていたけど、光史朗がいなくなってからは前のオーガナイズもしないといけなくなって、まだまだ力が足りない」と指摘。ピッチ内でいかに振る舞うべきかを発信する存在として君臨していたようだ。

 そんな頼れる存在がピッチに返り咲くまであと1試合。宇田は「自分が選手権でプレーしたいっていうのももちろんあるんですけど……」と前置きしつつ、「このメンバーでシンプルに全国大会に出て、このサッカーや自分たちを見てもらいたいと思う。まずは来週勝たないと意味ないと思ってるんで。相手も履正社だし、ライバル視しているので、今までやってきたことを全部出して、絶対に勝ってみんなで全国に行きたい」と力強く語った。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2022

TOP