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帝京五が今治東にリベンジを果たして選手権初出場! ゆかりのある国見と同じタイミングで全国へ

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帝京五高が選手権初出場を果たした

[11.13 選手権愛媛県予選決勝 今治東中等教育学校 0-1 帝京五高 ニンジニアスタジアム]

 13日、第101回全国高校サッカー選手権愛媛県予選決勝が行われ、帝京五高今治東中等教育学校に1-0で勝利し、選手権初出場を決めた。

 両校の対戦は昨年のインターハイ予選から続いており、今回が4回目。昨年の選手権予選、今年のインターハイ予選では決勝で対峙し、全て今治東が勝利している。苦杯をなめ続けてきた相手に今度こそ負けるわけにはいかない。「点を獲りに行くのか、様子を見ていくのか物凄く悩んだ」(植田洋平監督)結果、帝京五が積み上げてきたアタッキングサッカーを序盤から仕掛けた。

 1本目のシュートは前半14分。自陣右からのリスタートをDF松田侑弥(2年)がゴール前に展開すると、相手が競ったこぼれ球をMF梅澤玄季(3年)が打ち返したが、枠の右。24分には左サイドでのロングスローがPAにこぼれるとMF五本木涼(2年)が落とし、MF樋口志(2年)が詰めたものの、枠の上に終わった。アディショナルタイム1分には樋口、FW一瀬健斗(3年)と繋いでゴール前を崩し、最後はFW丹羽一志(3年)がゴールを狙ったが、GKの正面に終わった。

 前半は得点に至らなかったが、右サイドのMF武田健汰(3年)を中心に押し気味で試合を進めた効果は、守備にとっても大きかった。武田が対面する竹内が守備に追われることで、持ち味である組み立てへの関与ができなくなっていた。もう1人のキーマンである司令塔のMF越智小次郎(3年)に対して、丹羽が少し引き気味にポジションをとって、常に監視。スピードを活かした突破と抜け出しを得意とするFW大荒陽平(2年)には俊足のDF廣重陸(3年)をぶつけて、自由を与えない。見せ場を作りながら、今治東のポイントを上手く抑えた見事な試合運びだった。

 後半も立ち上がりは帝京五のペースが続いた。後半4分には左後方でのFKを松田がゴール前へ。GKがこぼしたボールをDF峯山隆平(3年)が押し込んだが、ゴールカバーに入ったDF小松相太(3年)に阻まれた。以降もチャンスを作り続けると、均衡が崩れたのは26分。DFに当たりながらゴール前に入った左CKを丹羽が頭で合わせて、ゴールネットを揺らした。

 終盤は逆転を狙った今治東が猛攻を開始。後半34分には越智がMF高橋周斗(3年)とのワンツーから左に展開。MF今井澪斗(3年)が中に入れたボールを高橋がスライディングで合わせたが、枠の外。アディショナルタイム3分にはロングボールのこぼれ球から、DF三好康介(2年)がループシュートを狙ったが、GK飯島悠翔(2年)の好セーブに阻まれた。「自分たちはギリギリの所で集中力が切れてしまうことがあるので、守備ラインの全員で声を出していた。最後、攻め込まれた時もボランチとプレスバックを速くして、一枚は絶対に寄せていたから無失点に抑えられた」とDF峯山隆介(3年)は振り返った。試合はそのまま1‐0でタイムアップを迎え、帝京五が初の選手権出場を決めた。

 帝京五の指揮を執る植田監督は国見高出身で、MF小野伸二(北海道コンサドーレ札幌)、FW高原直泰(沖縄SV)ら黄金世代の一員として、世代別代表でも活躍していた人物だ。国士館大卒業後は地元・高知県の社会人チームでプレーし、2009年の秋に強化を始めた帝京五の監督に就任。これまで2度、予選決勝に進みながら、全国大会とは縁がなかった。

 念願の初出場を掴んだ瞬間に浮かんだのは今年1月に亡くなった国見時代の恩師・小嶺忠敏氏の言葉だったという。「ここまで長かったですね。チームを指導し始めて13年。小嶺先生に10年(が勝負)だと言われていた。もう少し粘って、12、13年で行けたら良いよなって。13年で行けなかったらきついぞって言われていました。ギリギリ滑り込んだ形ですね」。成長を感じながら全国に行けなかったため、自分たちに確信が持てずにいたチームにとっても、今日の1勝は大きな価値を持つ。これから帝京五の成長速度は更に上がっていくのは間違いない。

 初出場を決めたのと同じタイミングで母校・国見も12年ぶりの選手権出場を決めた。国見の指揮を執る木藤健太監督は高校時代の2歳下。選手権予選前に練習試合をした仲だ。「小嶺先生と選手権で対戦する。国見高校と対戦するというのが、僕の2つの夢だった。小嶺先生との対戦はもう叶わないけど、国見との対戦は可能性がある。1回戦は東西に分かれるので、当たるとしたら2回戦になるので少しハードルは高くなるけど、国見とやりたい」と植田監督は口にした。

★高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチを応援するsfidaは、第101回全国高校サッカー選手権大会のオフィシャルパートナーです。


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(取材・文 森田将義)

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