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“リベンジ”果たせずも「最後まで走り切った」…奈良育英DF西尾駿「頑張ってくれた下級生は誇り」と後輩にエール

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奈良育英高DF西尾駿(3年=左)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 全国高校選手権2回戦 佐野日大高 1-0 奈良育英高 味フィ西]

 ちょうど1年前、悔しさを味わった場所だ。“リベンジ”の舞台へと臨んだ奈良育英高(奈良)だったが1点に泣き、2回戦敗退。昨年も大舞台を経験していたDF西尾駿(3年)は、「最後まで走り切れたので悔いはないです」と振り返った。

 1年前の12月31日。選手権1回戦で専大北上を4-2で下して2回戦へと駒を進めた奈良育英は、味の素フィールド西が丘で阪南大高と対戦した。当時、2年生ながらも初戦でゴールを決めた西尾は、阪南大高戦でスターティングメンバ―に名を連ねた。しかし、チームは0-8の大敗を喫し、2回戦で大会を後にすることになった。

 そして、迎えた22年12月31日。シードのために2回戦から登場となった奈良育英は、西が丘で佐野日大高と対戦することとなった。昨年の悔しさを経験したことで、「自分がプレーで引っ張っていかないといけないと強く思うようになった。去年負けたときから、それを超えるために今年取り組んできた」という西尾は先発出場を果たし、左サイドバックの位置に入った。

 佐野日大にリズムをつかまれながらも、体を張った粘り強い守備で簡単には決定機を作らせない。後半、選手交代で盛り返したものの、同アディショナルタイムに決勝点を献上し、0-1の完封負けを喫した。

 昨年同様、西が丘で開催された2回戦での敗退。「3年間積み上げてきたものを出せれば勝てると思っていたけど、全国は甘くなかった。このチームで去年の結果を上回れずに悔しいです」と唇を噛んだ。しかし、この日のスタメン11人の内、7人が1、2年生とチームには伸びしろがある。「頑張ってくれた下級生は自分にとって誇り。1、2年生には感謝しています」と感謝を示しつつ、「今日負けた悔しさをバネに、自分たちが成し得られなかったことを、来年は成し得てほしい」とエールを贈った。

 3年間必死に取り組んできた西尾の高校サッカーは、この日終わりを迎えた。「苦しいときが多かったけど、すごく良い時間を過ごすことができました」と語るとともに、「最後まで走り切れたので悔いはないです」と充実した表情を浮かべた。

(取材・文 折戸岳彦)
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