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“憧れの”兄2人も学芸館で目指した選手権日本一を実現!MF木下瑠己は引っ張る立場として次の一年も一戦必勝

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2年生MF木下瑠己は2人の兄も岡山学芸館高で目指した日本一を実現。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.9 選手権決勝 岡山学芸館高 3-1 東山高 国立]

 “憧れの先輩”でもある兄2人の夢でもあった選手権制覇。その2人の前で、弟が快挙を成し遂げた。岡山学芸館高(岡山)のMF木下瑠己(2年)は後半16分から交代出場。すると、20分に左サイドから思い切り良くミドルシュートを放つ。「入ったと思ったんですけれども」という一撃はわずかに右ポストの右へ外れたが、会場をどよめかせるような一撃だった。プレー時間は30分ほどだったが、積極的なプレーの連続。「緊張とか何もしていなくて楽しかったです」と振り返る2年生MFは、初優勝の瞬間をピッチ上で迎えた。

 木下の兄・DF紘希さん、DF叶貴さんも岡山学芸館のサッカー部出身。紘希さんは、2年時に岡山学芸館の選手権初出場(16年度)メンバーとして全国大会のピッチにも立っている。そして、3年時には主将。次兄の叶貴さんも2年時(19年度)に選手権出場メンバーに入っている。2年時の選手権はベンチ外で3年時の選手権は岡山県予選決勝敗退と全国舞台で活躍することはできなかったが、副主将としてチームを支える好CBだった。

 今回、木下も2年生で選手権を経験し、6試合中5試合で交代出場。佐野日大高(栃木)との準々決勝ではゴールも決めた。この日は兄2人も国立競技場で観戦する中で日本一を獲得。「(兄を)超えてやったぞ、みたいな感じですね」という感情を口にしていた。

 2人の兄は憧れの存在だった。「ずっとお兄ちゃんが学芸いたし、お兄ちゃんどっちもキャプテン、副キャプテンをしていて、どっちも憧れました」。後を追う形で岡山学芸館へ進学。入学時に「想像できていなかったです」という全国制覇を成し遂げた。

 大会期間中は兄から「とりあえず結果を出してこい」と求められていたという。決勝の“惜しい”右足シュートはボール1、2個分外側へ外れたものだった。これからの1年でそれを決められる選手になること、また全国舞台で手応えを感じたドリブルをより圧倒するような武器にすることを目指す。

 先輩の3年生は「本当に良く走るし、球際も負けない。格好良いです」という存在だった。新チームはすぐにスタート。選手権初優勝を果たし、これからの一年がとても難しくなるだろうことは理解している。その中で木下は2人の兄と同じく、チームを引っ張る立場に立候補する考え。「今年全国優勝して、本当来年キツイと思うんですけれども、今回出た2年生がしっかり引っ張っていって良いチームにいきたい」と意気込んだ。

 まずは新人戦制覇が最初の目標だ。「絶対に負けられない。しっかり余裕ぶらずに目の前の相手に戦っていきたい。苦しい時も走って、競って、県内では絶対に負けないというメンタルで。(夏冬の)全国も負けられないです」。岡山県内、全国のチームから追われる立場になるが、自分たちも先輩たちのように一戦必勝。目の前の一戦に全力を尽くして一つ一つ白星を積み重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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