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帝京相手に「農大一高らしく」泥臭く、丁寧で、勇気のある戦い。東京農大一は0-3で敗退も、6人の3年生を中心に“最高のゲーム”:東京A

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後半、東京農大一高MF宮崎隆世主将が左サイドを突破

[10.22 選手権東京Aブロック3回戦 東京農大一高 0-3 帝京高 東久留米総合高G]

 5カテゴリー上の強豪相手に堂々の戦いを見せた。東京都4部リーグに所属する東京農大一高は、選手権2次予選で都立小川高、明大明治高に勝利。3回戦でプリンスリーグ関東1部の名門・帝京高に挑戦した。

 石川創人監督から「最高のゲームをしてこよう」と送り出された選手たちは、MF宮崎隆世主将、GK米川和輝、CB三谷海地、右SB長谷川尚樹 、MF田中捷喜、MF吉田健人の3年生6人を中心に勇気を持ってハイラインのサッカーを展開。中でも三谷、長谷川はFCトッカーノ時代のチームメートである帝京のエースFW横山夢樹(3年、今治内定)に打開されても食い下がり、ゴールを許さなかった。

 帝京の日比威監督は東農大一について、「しっかりハイラインを敷いて、プレッシャーも速かった」と評していた。背後のスペースを突かれることを覚悟の上で前からボールを奪いに行き、奪ったボールを自分たちらしく丁寧に繋いで攻め返した。技術力の高い帝京から簡単にボールを奪えなかったことは確か。また、相手の鋭い奪い返しの前に、ボールをすぐに奪い返されるシーンも増えていた。

 それでも、GK、最終ラインからボランチを経由して前線、サイドへとビルドアップ。高い位置での奪い返しから宮崎がドリブルで一気に攻め込むなど、相手ゴールを脅かすシーンもあった。立ち上がりの失点で追う展開になったものの、後半半ばまで1点差と健闘。個々の力の差はあったかもしれないが、最後まで諦めることなくアグレッシブな戦いを貫いた。

 国体でU-16東京都選抜の指揮を執った石川監督が不在の期間もあったが、選手権まで残った3年生を中心に準備を続けて優勝候補に対抗した。指揮官は「農大一高らしく、泥臭く、丁寧にもやってくれた。(3年生中心に)よくまとまって、みんなで戦ってくれた。選手権でもひと伸びしたと思います」。結果は0-3だったものの、“最高のゲーム”をした選手たちを讃えていた。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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