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[選手権]宮崎日大はMF松添隼大のスーパーミドルで一時同点。敗れるも、全力プレーで全校応援に応える

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前半11分、宮崎日大高MF松添隼大(3年=サガン鳥栖U-15出身)が同点ゴールを喜ぶ

[10.28 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 6-1 宮崎日大高 ユニスタ]

 宮崎日大高はスーパーミドルで試合の流れを掴みかけていた。0-1の前半11分、右CKのこぼれ球を「ショートバウンドとかで合わせるのは得意なので、来たら決める自信はありました」というMF松添隼大(3年=サガン鳥栖U-15出身)が左足ダイレクトで叩く。ボールは素晴らしい軌道を描き、ゴール右隅に突き刺さった。

 本人も「自信になりました」と振り返るスーパーゴール。初の全校応援でピンクに染まったゴール裏スタンドが歓喜に沸いた。宮崎日大はその後も中盤で強度の高い奪い返し。そこからオランダ代表MFフレンキー・デヨングに憧れる技巧派MF松添や前線で存在感を放つFW大塚虎太郎(3年)が起点となって勝ち越しのチャンスを作り出した。

 だが相手の技術、強度、スピード、そして決定力の前に連続失点するなど前半だけで4失点。松添は「あのゴールからちょっと流れが来たんですけれども、そこから2失点目と3失点目をすぐにしてしまって飲まれていったのを変えれなかったのは自分の責任」と悔しがった。

 後半は横浜FC内定の左SB松下衣舞希(3年)を右SBへ移すなど、サイド攻撃が活性化。ゴール前のシーンを再び増やして見せたが、次の1点を決めて勢いづくことができなかった。

 この日、ベンチから試合を見守ったMF小畠優輝主将(3年)は「2冠できなかったのは自分の力不足だと思います」と俯き、松添も「ボールを受けて前を向くところとかは全然やれていたんですけれども、終盤になるとプレーが雑になったり、周りを見えなくなったりもしているのでフィジカルとかも鍛えていかないといけない」と成長の必要性を口にしていた。

 それでも、最後まで諦めずに戦った選手たち。南光太監督は「最後まで諦めずに良く戦ってくれたと思います。全校応援は宮崎日大で初めての取り組み。最後の最後まで声援を送ってくれたからこそ、最後の最後まで粘り強く戦えたと思います」と学校、生徒たちに感謝し、「今日のような晴れ舞台でたくさんの人が応援してくれたことは人生の財産になると思う。感謝の気持ちや色々な人が支えてくれることを忘れずに、謙虚な人、選手になってほしい」と選手たちにエールを送った。

 選手権出場の夢は潰えたが、この後プリンスリーグ九州2部の戦いを残している。また、次のステージでサッカーを続ける選手も多数。小畠は「関西の大学に進学するんですけれども、諦めていないプロという目標を叶えたい」と誓い、松添も「(東海地区の大学で)1年生からトップチームで試合に出られるようにしていきたいですし、大学卒業後はプロを目指しているのでプロの目につくように頑張っていきたい」と力を込めた。この日の悔しさを糧に努力を続け、目標に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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