[10.29 高校選手権岩手県予選準決勝 盛大附属0-4専大北上 いわぎんB]

　第102回全国高校サッカー選手権岩手県大会の準決勝が29日に行われ、専修大北上高が盛岡大附高を4-0で下し、2年ぶりの決勝に勝ち上がった。11月5日の決勝は、遠野高との対戦になる。

　チーム力の底上げに手ごたえを感じている。専大北上は今季、初めてプリンスリーグ東北の戦いに参戦。ベガルタ仙台やモンテディオ山形といった組織的な戦いをするJリーグ下部組織や、青森山田高セカンド(青森)や尚志高セカンド(福島)ら県外の強豪校との対戦で、特に守備面が鍛えられてきた。

　小原監督も「どんな場面でも動じなくなった」と成長を評価。「(今年のチームは)トータルバランスが取れている。バックアップで出てくる選手もそこそこ力があるので、そういう意味では面白さはある。前回選手権で出たとき(2年前)のチームよりも守備は安定しているかなと思います」と手ごたえを話す。

　そして準決勝の戦いは、その自信をより深める試合になった。前半からボールを保持して“ハーフコート”で試合を進めると、前半31分にDF鈴木千翔(3年)の左クロスを頭で合わせたFW齋藤幸(3年)のゴールで先制。前半を1点リードで折り返すと、後半20分にはCKをファーで頭に当てた主将DF葛西創太(3年)による追加点が決まる。

　そして後半30分にはMF神部瑠(3年)がエリア内で落とすと、MF名久井悠希(3年)が左足で巻くようにしたシュートを蹴り込んで3点目。試合終了間際には途中出場のコンビ、FW金田遼平(3年)のアシストからFW千葉桐翔(2年)が決めて、ダメを押した。

　ただ快勝の中にも課題は出た様子。小原監督は「ボールを持つとバタバタしちゃって、今日も前半ですごくミスが多かった。ノッキングを起こすというか、やりきれない。難しいですね」と話す。悩みひとつを取っても、チームが強くなっていることを証明している。

　決勝は新人戦、インターハイ予選に続き、県高体連3大会連続となる遠野との対戦に決まった。ただ勝敗こそ1勝1敗だが、特に敗れたインターハイ予選は完全に力負けだったという。「新人戦の時も6-4くらいで押された中でのセットプレー一発だった。今年は力で圧倒されているけど、何とかそこを跳ね返したい」。11月5日の決勝は“ライバル”同士によるがっぷり四つの好ゲームが期待できそうだ。

(取材・文　児玉幸洋)

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