[11.3 選手権新潟県予選準決勝 帝京長岡高 4-2 北越高 五十公野公園陸上競技場]

　弟、チームメートと戦った“3度目の選手権”。北越高のエースFW高橋航輝(3年=グランセナ新潟FCジュニアユース出身)が、豪快な同点ゴールを叩き込んだ。1-2の後半14分、左中間で左SB剣持優平(3年)からパスを受けた高橋航は、コントロールから振り向きざまに右足一閃。ファインゴールでチームに歓喜をもたらした。

「あんま北越が攻撃をする回数が少なくて。でも、そういうところで狙っていかないと、シュートを打てる時に打っていかないと帝京長岡は戻りが速いので、トラップも上手くできて上手く前を向けたのでそのまま振り向きざまで。ゴールはあんま見ていないですけれども、自分の立ち位置とか感覚で打って、決めれて、良かったです」

　双子の弟、CB高橋泰輝(3年=グランセナ新潟FCジュニアユース出身)の縦パスを起点とした攻撃から、兄が右足ボレーで同点ゴール。1年時から公式戦出場を続けるストライカーは立ち上がりから力強い抜け出しで決定的なシュートを撃ち込み、その後も前線でボールを収め続けるなど帝京長岡高にとって嫌な存在になっていた。

「自分は1年生の時から試合に出させてもらっていて、個人としては絶対に負けないと思っていて、帝京長岡は攻撃は強いけれど守備にちょっと隙があったりするので、そういうところを自分がチームを引っ張って、前で受けて起点になれればと思ってやっていました」。そして、10番の役割を果たす同点弾。だが、チームはその後突き放され、2-4で敗れる結果となった。

　弟とともに1年時から出場チャンスを掴み、選手権を目指してきた。だが、一昨年度の準優勝、昨年度の3位に続き、3度目の挑戦も全国大会の舞台に立つことはできなかった。「(弟は)試合中に色々な選手に声を掛けたり、ヘディングとかほぼ負けないので。自分たちの攻撃のCKとか練習とかでも点を決めたりしていて、凄いと思います。3年間試合2人で出させてもらって、周りからは息のあったプレーとか言われているんですけれども、2人で小学校の時からやってきているんで、それが普通という感じだったので、(それらを発揮して)チームにもっと貢献できたかなと」と悔しがる。　

　そして、「3年間頑張ってここに向けてやってきて、負けたというのは凄く残念で悔しい気持ちもあるんですけれども、まだプリンス(リーグ北信越1部)が2節あって、N1(県1部リーグ)とN2(県2部リーグ)降格させてしまっていて、プリンスも降格させてしまうと3年生として不甲斐なさ過ぎるので、絶対にプリンス1部に残留させたい。そこへ向けてこれから練習で頑張っていきたいです」。責任感を持って最後まで戦う意気込みだ。

　高橋航は卒業後、関東の強豪大学へ進学予定。「自分の価値を高めて、4年後、プロから呼ばれたりできる選手になりたいと考えています」。前線での強さやシュートが光るFWは、よりスピードの部分などを磨き、注目される存在へ。同じく関東の強豪大学へ進む弟と対戦する可能性もあるが、「試合をするとなった時には絶対に勝つという気持ちで行きます」。今後も兄弟で切磋琢磨。その前に弟や一緒に戦ってきた3年生とともに北越をプリンスリーグ北信越1部に残留させて、次のステージに挑む。　

FW高橋航輝が同点ゴールを喜ぶ

双子の弟、CB高橋泰輝も守備の中心として奮闘

(取材・文　吉田太郎)

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●第102回全国高校サッカー選手権特集