beacon

CB神野匠斗が日体大柏を千葉決勝へ導く決勝ゴール。“自分に自信を持てるサイクル”を作って攻守に好プレー。

このエントリーをはてなブックマークに追加

日体大柏高の184cmCB神野匠斗(3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)

[11.5 選手権千葉県予選準決勝 日体大柏高 2-1 流通経済大柏高 柏の葉公園総合競技場]

 8月から10月まで約2か月間負傷離脱し、松葉杖での生活。そこから復帰し、県1部リーグ2試合を挟んで選手権予選を迎えたが、初戦、2戦目と思うようなプレーができなかったという。それでも、日体大柏高の184cmCB神野匠斗(3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)は、“自分に自信を持てるサイクル”を作って準々決勝、準決勝を迎え、好プレーで勝利に貢献した。

「“自分に自信が持てるサイクル”を自分の中でやる。そこを凄く意識して、一日一日の練習をマックス集中してやるというのをやっていたんで、先週(準々決勝)も良かったと思うんですけれども、今週も自信というよりかは本当に集中してやれた結果だと思います」と神野は説明する。

 この日もプレミアリーグ勢の名門・流通経済大柏高相手に集中力の高い80分間だった。流経大柏は伝統的に球際での強度や高さを強みの一つとするチーム。クロスやセットプレーの本数を増やし、後半半ばからは186cmCB塩川桜道(3年)がパワープレーで前線へ上がってきた。だが、神野はヘディング、競り合いで互角以上のバトル。また、味方のピンチを察知して好カバーリングを見せ、絶妙なロングパスを通すなど、攻守に頼もしい動きを見せていた。

 1-0の後半23分には、CB岡崎来夢(2年)のヘッドのこぼれ球を左足で豪快に決め、決勝点となるゴール。「CKが一発目合わなかったら、こぼれてきたらゴールに打つというふうに決めていたので、ちょうど良いところにこぼれてきて、打つということだけを考えた結果、入って良かったです」。昨年1年間悔しいシーズンを送ったDFは今年、中心選手として全国大会で躍動することを目指している。

 神野は鹿島アントラーズつくばジュニアユースのレギュラーとして20年全日本ユース(U-15)選手権準優勝。日体大柏では入学当初からビルドアップ力や守備の対応力を発揮して先発のチャンスを掴んだ。だが、昨年は怪我や先輩CBの台頭もあって控えに。初出場で8強入りした選手権もピッチに立つことは叶わなかった。

 それでも、「逆に先のことを考えてやるしかない」とトレーニング。今年は提携クラブである柏レイソルトップチームの練習試合に出場し、差があることを痛感したという。色々な経験を経て、目の前の練習、試合に最大限集中することを意識。それが好プレーに結びついているようだ。

 選手権出場を懸けた決勝の対戦相手は、名門・市立船橋高。相手エースのFW郡司璃来(3年)はU-18日本代表で清水内定を決めている強力ストライカーだ。彼を止められるかどうかは勝利への鍵。神野は注目FWを意識し過ぎることなく、いつも通りのプレーを目指す考えだ。

「相手、プロ内定決まっていますけれども、プロだと言って、自分も去年ウィリー(日体大柏の先輩で現柏のFWオウイエ・ウイリアム)とやってプロの基準というのは自分の中である程度分かっているというのがありますし、その中で変に(郡司が)自分よりも上の立場だと考えるのではなくて、いつも通りにやれば必ず結果は出ると思うので、変に大きく準備するというよりは、いつも通りに自分がやっていることを出すだけかなと」。チームが勝つために何をするべきか考え、集中して戦い、必ず勝って連覇を喜ぶ。

後半23分、左足で決勝ゴールを決めた

(取材・文 吉田太郎)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP