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[MOM4513]日体大柏FW大和田琉星(3年)_高校屈指のCB相手に先制アシスト。走って、キープして、「選手権、好きなので」の思いを表現

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前半12分、日体大柏高FW大和田琉星(3年=1FC川越水上公園出身)が右サイドを突破し、先制アシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 選手権千葉県予選準決勝 日体大柏高 2-1 流通経済大柏高 柏の葉公園総合競技場]

 懸ける思いが伝わってくるような、80分間だった。日体大柏高FW大和田琉星(3年=1FC川越水上公園出身)は、「(後半の)半分くらいから結構、(足に)きていましたけれども、気持ちです」と振り返る。

 80分間、人一倍走り続けたことによる身体的なダメージは大きく、試合後、暫く時間が経ったあとも足を引きずっていたほど。それでも、「選手権、自分好きなので。小さい頃から家族と一緒に見ていたので、その思いが強かった」というFWは、そのハードワークを勝利に結びつけた。

 流通経済大柏高との柏ダービーでチームを勢いづけたのは、大和田だった。前半12分、右ハイサイドでボールを引き出すと、相手のU-17日本高校選抜CB塩川桜道(3年)との1対1から強引に前へ潜り込む。そして、マイナスのラストパス。これをMF佐藤伸哉主将(3年)が1タッチでゴールへ押し込んだ。

 大和田は、高体連屈指のCBを相手にビッグプレー。「自分はエグるようなドリブルが得意だったので、あんまり最近出せていなかったんですけれども、出せて良かったです。小学校、埼玉で(塩川とは)何度かやったことがあって、小さいので(自分よりも15cm大柄な相手の)前に入って、もぐることを意識していました」。この後もその馬力のある動きと運動量が利いていた。

 大和田は、後半半ばの苦しい時間帯に鋭いターンでFKを獲得。また、スペースへの抜け出しから個の力でボールを収め、味方のシュートシーンに繋げていた。試合終盤、6分間のアディショナルタイムも必死に足を動かしてスプリント。流経大柏の選手にプレッシャーを掛け続け、味方のロングボールを収めようとしていた。

 この日、日体大柏は前線の要・FW森田寿一(3年)が出場停止で不在。普段は2トップの落ち気味の位置を担う大和田だが、最前線に出て、FW沼田大都(1年)とコンビを組んで戦った。その中で自分のやるべきことを貫徹。根引謙介監督も「今日は大和田がいつも以上に。前節、森田が退場になっていたので、沼田と2人で役割を良くやってくれたなと思っています」と高く評価していた。

 大和田は昨年、選手権全国大会でいずれも短い時間だったものの、3試合で途中出場。「去年出て、全国経験して楽しかったし、でも、もっと出たかったという気持ちが大きかったので、今年、自分の代であの舞台に戻ってもっと活躍したいという気持ちが強いです」と語る。
 
 関東高校大会、インターハイの出場を逃した後、大和田はSHやFW、SBも経験。様々なポジションでプレーする中で根引監督が求めることをより理解することができたという。同時に得意のドリブルをどう出すか考えてプレー。市立船橋校との決勝も「自分たちは相手がどう来るかで状況判断して相手の嫌なところを取っていくサッカーなので、相手の嫌なところを取って自分の特長を出す」と意気込む。
 
 1FC川越水上公園(埼玉)のチームメートは、尚志高(福島)のU-18日本代表候補FW網代陽勇(3年)ら各地で活躍。また小学生時代は別チームだったが、同クラブ出身で浦和トップチームでも活躍する高校生MF早川隼平の存在も刺激になっているという。「自分も負けていられない。(相手にとって)一番脅威ではありたい」と語るFWが、決勝でも人一倍走り、戦い、ゴールをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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