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[MOM4541]柳ヶ浦DF外園優心(2年)_スタメン唯一の大分出身選手が18年ぶりの扉開く決勝弾!父も立った全国の舞台へ

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DF外園優心(2年)が全国行きを決める決勝点を奪った

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.19 選手権大分県予選決勝 柳ヶ浦2-1大分 レゾド]

 優しい心に熱い魂が宿っている。自陣での接触プレーで足を痛めたかにみえたDF外園優心(2年)だったが、応援席から「痛いの痛いの飛んでいけ!」コールが飛ぶ中で、そのままプレーを続行。すると直後の後半9分、柳ヶ浦高は右CKを浮き球で繋ぐと、MF橋本琉唯(3年)のヘディングシュートがGKに弾かれてこぼれる。これを外園が左足で押し込んで決勝点となる勝ち越し弾を決めた。

「前半のうちに同点にされて、相手のペースにもなりかけたけど、後ろから声を出して、盛り上げられたと思う。前半は1-1で終わったけど、ハーフタイムのロッカールームでは勝てると思った。絶対に点が取れると信じていたので、後ろは守るだけだと思っていました。ゴールシーンは先輩たちを信じて待っていただけ。流し込めてよかった。コール?あれのおかげですね」

 この日のスタメンで唯一、大分県出身の選手だった。愛媛県出身のキャプテン橋本を筆頭に福岡県や沖縄県、大阪府出身の選手もいる個性派軍団だが、外園は「家から通える強豪校でサッカーに専念したい」と考えて、柳ヶ浦に進学した。

 サッカーはお父さんの影響で始めた。父親の慎二さんは大分高でゴールキーパーとして活躍。在学した3年間すべてで全国高校サッカー選手権の出場を経験し、2年時と3年時にはゴールマウスも守ったという。

 外園自身もサッカーを始めたころはGKを勧められたようだが、「ビビってしまってダメだった」。GKの遺伝子は受け継いではいなかったようだが、巧みなキック、そして180cmに成長した身長を武器としたヘディングを生かし、今では県内で世代屈指のCBへと成長した。

 慎二さんが活躍した時代から20年ほどが経過したこの日、奇しくも大分高を相手に全国行きをかけた戦いをすることになった。試合前には「絶対に勝ってこい」という言葉を貰っていたという外園。「向こうは2連覇がかかっていたので、気持ちで絶対に負けたくないと思ってやっていました」と闘志をむき出しにして戦った。

 現在、同世代の選手たちがU-17ワールドカップに参戦。3試合4得点を決めてブレークするFW高岡伶颯(日章学園)とは対戦したこともある。「同世代なので負けたくない。向こうは武器とか特徴があるから代表に入れている。自分も頑張りたいです」。自身も初の全国の舞台で、飛躍のきっかけを掴む。

(取材・文 児玉幸洋)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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