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[MOM4571]広島国際学院MF長谷川蒼矢(3年)_親友とのホットラインからヘディング弾。184cmMFが国立で抜群の高さ発揮し、1G1A!

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後半12分、広島国際学院高MF長谷川蒼矢が追加点を決めてガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.28 選手権開幕戦 早稲田実高 0-2 広島国際学院高 国立]

 184cmの大型ボランチが高さで早稲田実高を圧倒した。前半から広島国際学院高に制空権をもたらしていたのが、MF長谷川蒼矢(3年=広島ピジョンFC出身)だ。「やっぱ自分は身長が高い分、ヘディングで貢献しないといけないっていうところは思っていて、試合を通して活躍できたかなと思います」。その言葉通り、長谷川が攻守で高さを発揮し、1ゴール1アシストを記録した。

 前半28分。広島国際学院は左スローインで変化。それまでのロングスローからシュートに変え、左SB岡田康誠(3年)がクロスを上げる。これをファーの長谷川が頭で折り返し、最後はFW野見明輝(3年)が頭でゴールへ押し込んだ。

 先制点をアシストした長谷川は惜しいヘッドを放つなど前半だけでシュート3本。その長谷川が後半に頭で追加点を奪う。後半12分、幼稚園からチームメートだという右SB藤井海地(3年)が右サイドからロングスロー。ゴールエリアまで届いたボールを長谷川が頭で合わせると、ボールはファーサイドのゴールネットに吸い込まれた。

「幼稚園からも一緒にサッカーしてて親友なんで、どこに来るかとか結構分かっていて、ゴール決めたらとても嬉しかったです。いつも、(ロングスローは)もうちょっと飛ばないんですけど、(藤井は)大舞台に強かったのでいつもより投げてくれてほんとに助かりました」。国立で親友とのホットラインが開通。勝利に大きく近づく追加点となった

 自信を持っているヘッドは日々の鍛錬によって磨き上げてきた武器だ。「家で毎日、ボールを吊るしてジャンプ練習とかしてて、それで3年間でジャンプ力っていうのは伸びたかなって思います」。後半、早稲田実は長谷川対策として180cmMF野川一聡(1年)をマーカーにつけたが、それでも長谷川の強さは揺るがなかった。

 強敵の存在が自分をレベルアップさせてくれたのだという。「県決勝の瀬戸内戦でCBの坂根(秀)選手っていう人がいるんですけど、その人には五分五分ぐらいで。その人がいたからこそ、まだまだ自分は足りないなとか思って、練習で意識したりしました」。予選後、より1本1本にこだわってきた成果をこの日見事に発揮した。

 元ラグビープレーヤーの父・毅さんからは、「いつも気持ちのことを言われていて。今日も気持ち入ったプレーできたかなって思います」。ゴールシーンも、その他の競り合いでも引かずにヘッド。その気持ちの強さもチームの勝利に結びつけた。

 長谷川は「夏のインターハイで1回戦負けして、とても悔しい思いをして、この選手権はまず1勝を目標にやってきたんで、素直に勝てて嬉しいです」と微笑む。歓喜の1勝。だが、兄の智貴さんは、5年前の18年度大会で瀬戸内高(広島)が3位に入った時のサブGK。兄超えのためには、まだまだ白星が足りない。ドイツ代表MFヨシュア・キミッヒ(バイエルン)に憧れる大型ボランチは今後も攻守でハイパフォーマンスを続け、広島国際学院に2勝目、3勝目をもたらす。


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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