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初出場・名古屋がPK戦で初戦突破!! U-17W杯4ゴールの日章学園2年生FW高岡伶颯はPK止められ敗退

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名古屋高が初戦突破

[12.29 選手権1回戦 名古屋高 1-1(PK4-2) 日章学園高 オリプリ]

 第102回全国高校サッカー選手権は29日、1回戦を各地で行い、日章学園高(宮崎)と名古屋高(愛知)が対戦した。1-1で迎えたPK戦は名古屋GK小林航大(3年)が2本をストップし、4-2で勝利。初出場で注目FW擁する強豪を破って初戦突破を果たした。

 創部65年で選手権初出場の名古屋と、今秋のU-17W杯で4ゴールのエースFW高岡伶颯(2年)を擁する日章学園の激突。日章学園は前半4分、今大会得点王候補の高岡がさっそく積極的な裏抜けからシュートを放ち、DF月岡陸斗(3年)にブロックされたが、そのまま攻め続けて先手を取った。

 前半8分、前線のFW篠田星凪(3年)がヘディングでつなぎ、ペナルティエリア右を抜け出した高岡が強烈な右足シュート。これは右ポストに阻まれるも、二次攻撃から右に開いたMF南創太(2年)がクロスを送ると、反対サイドから飛び込んだMF皆川春輝(3年)がヘディングで叩き込んだ。

 ビハインドとなった名古屋も前半10分にファーストチャンス。右サイドを駆け上がったDF佐藤琉輝(2年)のクロスでゴール前を攻め込むと、こぼれ球を拾ったMF田中響貴(3年)が飛び出したGK不在のゴールを狙う。前日28日の開会式で選手宣誓を務めた主将だったが、これは惜しくも枠を外れた。

 日章学園は前半17分、皆川が左サイドで3人を抜き去り、深い位置までえぐってクロスを配球。ゴール前の高岡が懸命なジャンプから力強いヘディングシュートを放ったが、これはGK小林航大(3年)のスーパーセーブに阻まれる。追加点を逃した高岡は膝をついて悔しがった。

 すると前半23分、名古屋が追いついた。月岡が左サイドからロングスローをゴール前に送り込むと、低い弾道でぐんぐん伸びたボールがペナルティエリア右寄りへ。これに反応したDF足立遼馬(3年)が高い打点のヘディングシュートで叩き込んだ。県予選終盤を負傷で離脱していたディフェンスリーダーがチームを救う1点を決めた。

 その後は再び日章学園がボールを握る時間を作ったが、名古屋のコンパクトな守備ブロックを前になかなか深い位置まで攻め込めない。前半34分には高岡のミドルシュートが相手にブロックされると、同39分のセットプレーもDF宮本大誠(3年)のシュートが阻まれ、1-1のままハーフタイムを迎えた。

 後半も日章学園が優勢を保ち、高岡が積極的にゴールへの姿勢を見せるが、名古屋もDF足立とDF井上款斗(2年)のCBコンビが集中力を欠かさない。5分過ぎには接触プレーで高岡が倒れ込む場面もあったが、大事には至らず、プレー続行となった。

 後半14分、右サイドを攻め上がったDF梶原壮一郎(3年)のクロスに篠田が飛び込むも、ダイビングヘッドはGK小林の正面。名古屋は同16分にもGK小林がファインセーブを見せ、守護神が高いクオリティーを見せつけた。

 日章学園は後半22分、DF吉川昴我(2年)とDF宮本大誠(3年)に代わってFW田上遼馬(3年)とDF阿部真大(3年)を投入。11月の宮崎県予選準決勝で膝を負傷していた注目FWの田上はこれが復帰戦となり、システムを4-4-2から3-4-2-1に変更した。

 名古屋は後半27分、右サイドをFW小川怜起(3年)が切り裂き、横方向へのクロスを田中がトラップ。相手のファウルを誘ってゴール正面でFKを獲得した。キッカーはMF原康介(3年)。ゴール右上隅のコースを狙ったが、惜しくも枠を外れた。

 日章学園は後半35分、右サイドを南が縦に突破し、ファーへのクロスに途中出場のMF有働嵩常(2年)が飛び込むも、右足ボレーは枠を捉えられない。同40分、梶原のクロスに反応した田上のヘッドもGK小林がセーブ。そのまま規定の80分間を終え、勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 先攻は名古屋。10番の原が幸先よく成功すると、後攻の日章学園FW田上も冷静に右へ沈める。すると2人目は名古屋の月岡が成功した一方、日章学園の高岡のキックはGK小林がストップ。ここで点差がついた。その後は両チームとも成功が続いたが、日章学園4人目の梶原のキックも名古屋GK小林がストップし、試合が決着。名古屋が初出場初勝利を手にした。

(取材・文 竹内達也)

●第102回全国高校サッカー選手権特集

竹内達也
Text by 竹内達也

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