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3年ぶり選手権帰還の市立船橋、エース郡司のハットトリックを含む4Gで高川学園に快勝

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市立船橋高が4Gで3年ぶりの選手権勝利を飾った(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.29 選手権1回戦 市立船橋高 4-1 高川学園高 柏の葉]

 選手権制覇5回の名門、3年ぶり24回目出場の市立船橋高(千葉)と、5年連続29回目、2年前のベスト4躍進も記憶に新しい高川学園高(山口)。県立柏の葉公園総合競技場で行われた第1試合は、両校のエースストライカーに注目が集まった。

 昨年から10番を担う同士で最初にシュートを放ったのは青の10番、清水内定FW郡司璃来(3年)だった。立ち上がりから高川学園を押し込んでいた市立船橋は7分、MF足立陽(3年)がスペースに蹴り込んだボールを、郡司がワンタッチでDF藤井蒼斗(3年)をかわしてペナルティエリアに進入すると、右足で市立船橋に先制点をもたらした。

 続く11分には郡司がPKを成功。2点のリードを奪った市立船橋が圧倒するかと思われたが、「強度高く立ち上がりにいって、少しそれが疲弊してきて。点数もあったのかもしれないですけど、それで少し緩まった部分があって、高川学園さんの技術の高さだったり、戦術的なもので、はがされてなかなかボールを奪えない、押し込まれるという時間が続いてしまった」と市立船橋の波多秀吾監督が指摘したように、高川学園も負けてはいなかった。

 巧みな足元の技術を持つ1年生守護神のGK高城柊哉(1年)を起点に、市立船橋の網をかいくぐってチャンスをうかがう。1年次から3年連続で選手権のピッチに立つ高川学園のU-17日本代表候補であり10番を背負うFW山本吟侍(3年)は、市立船橋の素早い寄せを前にシュートを枠に飛ばさせてもらえない展開が続く。それでも前半27分、パスワークで中盤を崩した高川学園は、左サイドに開いていた山本へ。山本が右足アウトサイドでクロスを入れると、逆サイドのMF中津海蓮恩(2年)はシュートまで持ち込むが、これも市立船橋守備陣に寄せられてしまい枠まで飛ばすことはできなかった。

 高川学園がリズムをつくっていた前半終盤に、同校の代名詞のひとつとなっているセットプレーから1点を返す。前半36分のCKの場面で、MF伊木樹海(3年)のライナー制のクロスをMF佐藤大斗(3年)が頭で合わせて、前半の終盤に高川学園が1点を返してハーフタイムを迎える。

 後半2分に再び試合は動く。高川学園はビルドアップのところで市立船橋の圧力を前に後手を踏むと、GKまでプレッシャーをかけにいったFW久保原心優(2年)はGKがドリブルでかわそうとしたところで奪いきり、無人のゴールに流し入れた。

 リードを再び2点に広げた市立船橋は、後半21分にエースの郡司がハットトリックを完成。試合を決定づけた。

「前から(守備に)いけないときも当然やってくるので、そのときにゲームをコントロールして、どこからいくのか、プレッシングを始めるのかというところ、あとはペース握られたときに、どのように我々が振る舞うか」と波多監督は課題を挙げながらも、6度目の日本一に向けて千葉の雄が好スタートを切った。

(取材・文 奥山典幸)

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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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