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昨年日本一GK岡山学芸館平塚仁、小学生以来の“父親参観”「絶対に尚志に勝つから見に来て」

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 岡山学芸館 2-1 尚志 柏の葉]

 岡山学芸館高のゴール前にGK平塚仁(3年)が立ちはだかった。特に後半は安定感抜群。高原良明監督も「今日一番。安心してみることができた。彼がいることで後ろも安心して守れる」と感嘆の声を漏らすほどのハイパフォーマンスだった。

 昨年も正守護神として出場した平塚は、全6試合でゴールマウスを守り、日本一に大きく貢献した。「去年を経験しているので引っ張らないといけない」。この日の入りでは初戦の難しさを感じることがあったというが、昨年の経験値が精神的な余裕を生み出し、終盤のビッグセーブに繋げた。

 この日は普段よりも燃える試合になっていた。お父さんが「小学校以来」だという現地観戦。小学生の時に見に来てもらった試合でボコボコにされてしまったことで、見に来ることがなくなったという。

 それでも今回は自分が頑張った高校サッカーの集大成。昨年度の決勝にも呼ぶことはなかったが、「絶対に尚志に勝つから見に来てほしい」とお願いして、スタジアムに来てもらっていた。「お父さんにいいプレーを見せたいという気持ちが一番強かった」。自然と笑みがこぼれた。

 チームの士気を上げるこれ以上ない連覇へ向けたスタートを切った。ただ平塚は言う。「一戦必勝で今からの時間がすごく大事になる。次の試合のことだけを考えたい」。王者としての慢心は一切ない。どこまでもチャレンジャー精神で立ち向かう。

(取材・文 児玉幸洋)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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