beacon

[MOM4596]青森山田FW米谷壮史(3年)_初戦敗退危機の重圧も「足をつってスイッチが入った」エースの起死回生弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

青森山田高FW米谷壮史(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権2回戦 青森山田 1-1(PK5-3) 飯塚 浦和駒場]

 常勝軍団復活に意気込むエースの一撃が、チームを9年ぶりの初戦敗退の危機から救った。0-1で迎えた後半34分、青森山田高FW米谷壮史(3年=青森山田中)は右サイドを攻め上がったMF後藤礼智(3年)のクロスにファーサイドで反応。完璧なヘディングシュートで堅守の飯塚ゴールを破った。

「相手は前半からずっとラインが高くて、オフサイドに引っ掛かっていたので、礼智が1回切り返した時に一回プルアウェーして、ラインに合わせる動きをして、もう一回入り直して頭に合わせて、対角に流せたので良かった」(米谷)。冷静な判断のもと、ゴール前のポジショニングが光ったゴールだった。

 ゴールの直前には足がつって座り込む場面もあり、ピッチに立ち続けるかどうかの選択を迫られていた。しかし、米谷はベンチに下がる決断をするどころか、空白の時間を気持ちを切り替えるためにあてていた。

「足をつって、伸ばしてもらった時にスイッチが入った。つった中でも3年間やってきたことを出せば決められるというスイッチが入った」

 昨季までの全国選手権ではベンチ入りすら叶わなかったが、今季は高円宮杯プレミアリーグEASTで得点ランキング2位の15得点を挙げ、堂々のエースとして全国舞台へ。デビュー戦でさっそく初ゴールを記録した。

 ビハインドに追い込まれていた時には「プレミアは負けても次があるけど、選手権は負けたら次がない。自分はガッと重みがきた」と率直に振り返るが、気持ちは落ちなかった。「そういう時にスタンドを見ると、仲間が応援してくれていた。205人の部員のためにもフィールドに立っている以上、情けないことはできない。一生懸命に点を取ることを考えて全力で戦えたと思う」と奮起を促した仲間に感謝していた。

(取材・文 竹内達也)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP