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[MOM4597]名古屋FW小川怜起(3年)_初戦のシュートゼロに発奮「結果を出さないと」…選手権初得点は信じて走って冷静に

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名古屋高の3トップの一角を占めたFW小川怜起(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権2回戦 北海高 0-3 名古屋高 オリプリ]

 終わってみれば、3トップがそれぞれ1ゴールずつを挙げて快勝した名古屋高(愛知)。チームに勢いをもたらす先制点は、背番号7の快速アタッカーだった。

 スコアレスで迎えた前半40分、名古屋はMF田中響貴(3年)のカットからショートカウンターを発動すると、MF原康介(3年)が左サイドを抜け出る。原はそのままペナルティエリアに進入すると、逆サイドへクロス。FW小川怜起(3年)は飛び出してきたGK小野寺をかわすと、無人のゴールへと流し入れた。GKをかわすまで、落ち着き払った一連の流れだった。

「最初はワンタッチでゴールに入れようと思ったんですけど、GKが思ったより自分のコースを消してきたので、GKの矢印を見て、逆方向に1回ワンタッチして、GKをかわしてシュートを打った感じです」

 自分とチームメイトを信じた結果が、ゴールの裏に結びついた。
 
「自分の強みは運動量というところもあるので。スプリント回数はデータでも出ていて、チームで一番はすごい自信になっていて。それをこだわっていて、原くんがゴール前まで仕掛けて、クロスを上げるっていうのは自分が信じているので、信じて走るっていうのは自分の中でも、チームの中でも、意識してやっています」

 初出場の名古屋にとって選手権初戦となっていた1回戦の日章学園戦は、1-1からPK戦を制しての勝利だったが、1得点はDFの足立遼馬(3年)によるものだ。先発フル出場していた小川は1本もシュートを打てず終わり、そのことがアタッカーの心に火をつけた。「そろそろ僕たち攻撃陣が結果を出さないと」。発奮した小川は、前半28分には相手GKが前目にポジショニングしていると見るや、ハーフラインを超えてすぐにロングシュートを放っていた。

「自分はFWなので点を決めたいっていう気持ちはすごくあって、どんな位置からでもシュートを狙っていこうというのは試合前から決めていて」と狙いを持っていた小川。シュートは枠から外れててしまったが、「あれで1回いい流れができて、自分の自信に」なり、そのことが先制点にもつながったという。

 小川、FW仲井蓮人(3年)、原のゴールで、3回戦進出を決めて歴史を塗り替えた名古屋。小川は「意思の確認は今日のミーティングすると思うのでチームの目標は明確になってないんですけど」と、あくまで自身の意見であることを強調しつつも、「大会前に全国ベスト16という目標を掲げて、今こうやってその目標を達成できたので、満足せず、もっと高みを目指して」いきたいと士気は高い。「今日のみんなの戦いを見て、気持ち見て、僕たちのチームは行けるんじゃないかなって思ってます」とチームの力を信じて戦っていくつもりだ。

(取材・文 奥山典幸)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
奥山典幸
Text by 奥山典幸

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