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「青森山田は何回も修羅場を…」飯塚の“最高傑作”DF藤井葉大は来季J2岡山へ「1年目からバリバリ試合に絡みたい」

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飯塚高DF藤井葉大(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 青森山田 1-1(PK5-3) 飯塚 浦和駒場]

 世代別代表も経験した注目サイドバックの最後の冬は、全国大会初戦で幕を閉じた。「この高校3年間はあっという間に感じた。もっとやりたかったのが正直な気持ち」。全国屈指の名門校を相手にも通用するという手応えはあっただけに、飯塚高DF藤井葉大(3年)は悔しさを隠せなかった。

 対戦相手は過去7年間で3度の日本一を誇る青森山田高。それでも腰の引けた戦いをするつもりはなかった。

 支えになったのはスプリント、ハイインテンシティでの走行データ。「全然ビックリすることなく、GPSのデータ上でも戦えることが証明されていた。引くつもりは全然なくて、出し切れたんじゃないかと思う」。チームは引いて守ることなく果敢なハイプレスを敢行し、後半24分には先制点も奪ってみせた。

 それでも最後はPK戦で競り負けた。「青森山田は何回も全国大会で修羅場を経験してきている伝統ある高校で、そこの強みは感じた」。能力やクオリティーで下回っている感覚はなかったが、勝負強さに敗因を見い出さざるを得なかった。

 昨年10月のAFC U-17アジア杯予選に招集され、世代屈指の左SBとして注目を集めた藤井。初出場だった昨季の全国選手権にも出場し、今年3月には早々と来季のファジアーノ岡山加入が発表されたが、今季は夏のインターハイ後に左足甲の怪我にも苦しんだ。

「この1年間、自分は怪我で離脱することが多く、苦しい時期もあったけど、仲間、監督、家族、いろんな方々が支えてくれたからやってこられた」

 そうした恩はプロの舞台で返していくつもりだ。「監督からは『お前がこのチームで歴代最高傑作だ』ということを言われていた。飯塚出身ということで胸を張ってやっていきたい」(藤井)。練習参加では左足のキック、対人守備に自信を深めたといい、「高卒で1年目から出る選手が少ない中、1年目からバリバリ試合に絡んでいきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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