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先制点もPK失敗…名古屋高MF田中響貴「信じた力が通じた」主将が快進撃牽引

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[1.2 選手権3回戦 岡山学芸館1-1(PK5-6)名古屋 柏の葉]

 自信を持って蹴ったPKは、無情にもポストを叩いた。ただ勝ち上がりは最後まで信じていたという。4人目でMF田中響貴(3年)がPKを外した名古屋高(愛知)だが、GK小林航大(3年)が5人目と7人目をストップ。「自分が外してもうだめかと思ったんですけど、全員が(GKの)小林を信じていた。信じた力が通じたのかなと思います」。田中はそう言ってホッとした表情をみせた。

 PKは外してしまったが、均衡を破るゴールを決めていたのも田中だった。後半17分、再三に渡ってチャンスを演出していたDF月岡陸斗(3年)のロングスローがゴール前に入ると、田中の左足にピタリと合って先制点が生まれていた。

 快進撃をみせる名古屋だが、思い返せば開会式から主役の座をがっちりと掴んでいた。出場48校を代表した田中が、堂々とした選手宣誓を行った。田中も「あれで勢いがついたと自分的にも思っている」と胸を張る。

 前日には石川県を震源とする大地震が発生した。大会直前の怪我でメンバー入り出来なかったが、名古屋にはMF森柑太(3年)という石川県出身の選手がいた。「大丈夫だったとは言っていたけど、森君のためにも勝つという気持ちはありました」。

 初出場で8強進出。「名古屋高校のキャプテンとして、個人よりチームとして戦っている」と強調する田中だが、今年のインターハイを制した明秀日立高のDF山本凌(3年)やプレミアリーグファイナルを制した青森山田高のMF杉本英誉(3年)は中学時代にFC.フェルボール愛知で一緒にプレーした仲間。同じ経験をするまであと3つというところまで来た。

 それでも浮かれることはない。「自分たちがダークホースと持ち上げられる部分はあると思うけど、気にせずに、(相手は)個としても格上だと思うけど、自分たちでここまで勝ち上がってきたという自信も持っているので、勝てるように準備したいと思います」。4日の準々決勝で対戦する市立船橋にも臆することなく立ち向かう。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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