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堀越1年生ツインズの選手権が始まる…兄・谷口悠成は弟に4日遅れてデビュー「自分のほうが出た時間は長い」

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堀越高MF谷口悠成(1年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権3回戦 明桜 0-1 堀越 駒沢]

 記者から1回戦出場についてと問われると「それは弟です」と指摘していた。堀越高MF谷口悠成(1年)は双子の弟・昊成に遅れて3回戦で選手権デビュー。「やっぱり悔しい部分もあった。だけど勝ったことが一番大きい」とまずは勝利の喜びに浸っていた。

 堀越は前半28分に先制に成功。その後は失点を防ぎながら反撃もうかがう。1-0で迎えた後半15分に最初の交代カード。「1点をどう守り切るか、あと攻撃で得点につなげられる部分があればがんばろうと。得点チャンスと、失点のところのカバーを意識した」(谷口)。ピッチ上で唯一の一年生として、谷口が出場した。

 東京都予選の決勝でも延長戦の場面で出ていたこともあり、緊張した様子はなし。同点に追いつきたい明桜高を巧みにいなし、中盤の底で攻守の起点になる。憧れはMFセルヒオ・ブスケツ。「中盤でのボール奪取や、うまくパスをつないでチャンスを作るところが好き」と自身のスタイルに重ね、残り時間で勝利に貢献した。

 兄の悠成と弟の昊成。ともに歩んできた双子だが、ピッチ上では最大のライバルだ。MF谷口昊成(1年)は12月29日の1回戦・今治東戦で後半36分からプレー。先に選手権デビューを果たした弟は、兄に対して変顔で煽ってきたという。谷口は悔しさとともに自身の出番を待ち、4日遅れて3回戦でデビューした。

 谷口は15分間と後半のアディショナルタイム4分の計19分をプレー。一方、弟・昊成は1回戦で4分間と後半アディショナルタイム3分の計7分。この12分差は双子にとって勝敗を分ける大事なポイントらしい。「時間では自分のほうが長い」と谷口は胸を張っていた。

 双子は小学校から同じチームだった。小学2年生のとき、弟・昊成は野球に興味を持ったが、谷口はサッカー一筋。泣きながらサッカーをする弟を支えながらともに成長。堀越でも一緒にプレーするまでに至った。

 一番身近なライバルであり、誰よりも連係が取れる相棒でもある。「自分は後ろ目で、昊成は前目。でも攻撃のスタイルは似ている」。ともにピッチを踏み、好連係を見せる姿にも期待が懸かる。谷口は選手権の舞台で「1点取りたい」。はたしてどちらが先に選手権でゴールを決めるか。残り2年、楽しみな時間が始まった。

(取材・文 石川祐介)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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