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激動の1年に「はやく歩き過ぎ」と笑み…3回戦敗退の初出場・広島国際学院指揮官「また来たいです、ここに」

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肩を落とすc広島国際学院高の選手たち

[1.2 選手権3回戦 青森山田高 7-0 広島国際学院高 駒場]

 躍進を続けた初出場・c広島国際学院(広島)の“旅”は終わりを迎えた。チームを率いる谷崎元樹監督は「また来たいですね、ここに」との思いを語った。

 3回戦で相まみえたのは、今季のプレミアリーグ王者となった青森山田だった。前半12分に先制点を献上してしまう苦しい展開も0-1で前半を折り返し、「相手の一歩の寄せが速いけど、テンポを大切にしていつも通りやろう」(谷崎監督)と選手たちを後半のピッチへと送り出す。しかし、開始早々の3分にアンラッキーな形でオウンゴールで追加点を与えてしまう。この1点が痛かった。

「ダメージはあったけど、自分たちのダメージよりも、青森山田さんのリラックス感や余裕につながってしまった気がします」

 さらに、21分に3点目を奪われて「(青森山田の)肩の力が完全に抜けてやられてしまった」と立て続けに失点すると、最終的には0-7とゴールラッシュを許しての敗戦となった。

 2日前には静岡学園を下して金星を挙げるも、中1日で同じく強豪の青森山田と対峙する難しさはあったという。「(静岡学園の)足元のテクニックを使って時間をかけてくるサッカーと、(青森山田の)縦や裏に速いサッカーでは全然スタイルが違う。相手のスタイルが中1日でこれだけ変わると難しいところもあった」と指揮官は唇を噛んだ。

 初の選手権は3回戦で敗退となったが、チームにとって大きな変化があった1年だった。今夏のインターハイでは、予選で広島県の頂点に立ち、全国初出場を成し遂げた。全国の舞台で勝利を挙げることはできなかったものの、新たな一歩を刻んだ。そして、再び広島県を制して選手権初出場を決めると、開幕戦で早稲田実を2-0で下して全国初勝利。さらに、2回戦では強豪・静岡学園をPK戦の末に退けて3回戦進出を果たした。

 激動の1年に「疲れましたねー。はやく歩き過ぎです」と笑みをこぼした指揮官は、充実した表情を浮かべた。

「選手たちのおかげで、やっと日の目に当たるところ、人に見てもらえるところまでこれたと思います。(選手権も)僕らは楽しませてもらったし、選手たちもすごく楽しんでやれたと思う。残念な結果だけど、果敢にチャレンジできました。チームの目標もまた代わっていくと思うので、次の目標に向けて今回見たものを伝えていきたいです」

 選手権の舞台を初めて味わったからこそ、指揮官にも欲が出る。「常連校が常連校と呼ばれる理由が分かった気がします。また来たいですね、ここに。やってみたいです、もう一回」と再びこの舞台へと戻って来ることを目標に新たな“旅”へと向かう。

(取材・文 折戸岳彦)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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