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「見失わずにやれたから今がある」。市船屈指の技巧派MF足立陽が2ゴールを演出

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市立船橋高MF足立陽(3年=AZ'86東京青梅出身)は2得点を演出

[1.4 選手権準々決勝 名古屋高 1-2 市立船橋高 柏の葉]

 市船屈指の技巧派MFが2ゴールを演出した。市立船橋高(千葉)のMF足立陽(3年=AZ'86東京青梅出身)は前半21分、味方の左クロスに対してファーサイドからゴール前へ走り込む。

「相手がマークにつくのが苦手そうというのが自分たちの分析でも出ていた。自分がファーから入れば相手も見えていないので。(ニアまで走って)潰れるつもりで頑張って入って行ったら、上手く当たって溢れてくれた」という足立はこぼれ球をシュート。これはDFにゴールライン上でクリアされたが、最後はFW久保原心優(2年)が頭で先制点を決めた。

 さらに足立は、1-1の後半2分に右サイドで久保原をサポート。タッチライン際からクロスを上げる。「あれも、逆サイドから(MF須甲)優理がニアに勢い良く入ってきていたので、そこにとりあえず合わせて」というクロス。ニアでMF須甲優理(3年)が潰れ、その背後から飛び出してきたFW郡司璃来(3年)が決勝点を決めた。狙いとする形で2ゴールを演出。また、ボールを受けると余裕のあるボールコントロールで相手のマークを外して崩しに係わっていた。

 後半終了間際のチャンスを含めて決め切れず、シュート3本で無得点。本人はまだ自分の良さを出し切れていないというが、3回戦でのゴールなど市立船橋の4強入りにしっかりと貢献している。

 その足立は「2年生の時も技術的には認められていたんですけれども、走れなかったりして、そういう部分でBチームにいる期間も多くて……でも、そこで見失わずにやれたから今がある」と頷く。

 ボールコントロールに自信を持つ足立は、課題の改善に取り組み、昨年から公式戦を経験。今年の前半戦は怪我の影響で欠場が続いたものの、それが癒えた後期に交代出場で出場機会を増やし、先発を勝ち取った。

 そして、全国大会で活躍中。だが、「もっと違い出して、チームが苦しい時とかにボールを収めたりして、もっとチームの役に立てるようにしたい。攻撃的なプレーをもっと増やして、自分でもっと点を決めたり、チャンス作ってチームに貢献できたら良い」と満足はしていない。

 MF原輝綺(現清水)やDF畑大雅(現湘南)といった市立船橋OBと同じ、AZ'86東京青梅出身。「小さい時に和泉(竜司)さんの時の優勝を見ていて憧れたのもありますし、自分の目指しているプロサッカー選手へ向けて自分の足りないところを伸ばせる環境がありますし、サッカーに集中できる環境でもあるので市船を選びました」という理由で千葉の名門校へ進学してきた。憧れの市船で国立へ。「目指すのは優勝。(まずは青森山田相手に)自分の良さである足元で違いを出せればいい」と語る足立が、青森山田高(青森)との準決勝でより特長を発揮して勝つ。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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