beacon

郡司V弾で名古屋の快進撃をストップ!市立船橋が12年ぶりのベスト4進出!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半2分、市立船橋高FW郡司璃来が決勝ゴール

[1.4 選手権準々決勝 名古屋高 1-2 市立船橋高 柏の葉]

 名門・市船が国立へ! 第102回全国高校サッカー選手権準々決勝が4日に行われ、千葉県立柏の葉公園総合競技場の第1試合では名古屋高(愛知)と市立船橋高(千葉)が激突。市立船橋が2-1で勝ち、12年ぶりとなる準決勝進出を決めた。

 初出場校の名古屋は、3回戦で前回王者・岡山学芸館高(岡山)を撃破するなど、11年度大会の中京大中京高以来、愛知県勢12年ぶりの準々決勝進出を果たした。躍進を続ける名古屋の先発はGK小林航大(3年)、最終ラインは太田陸斗(2年)、足立遼馬(3年)、井上款斗(2年)の3バック、右WB齋藤力(2年)、左WB月岡陸斗(3年)、田中響貴主将(3年)と川瀬陸(2年)のダブルボランチ、そして、小川怜起(3年)、仲井蓮人(3年)、原康介(3年)の3トップの11人でスタートした。

 一方、戦後最多タイの6度目となる優勝を狙う市立船橋は、同校にとって2011年度大会以来12年ぶりの4強入りを懸けた一戦。4-4-2システムのGKはギマラエス・ニコラス(2年)で右SB佐藤凛音(3年)、CB岡部タリクカナイ颯斗(2年)、CB五来凌空(3年)、左SB内川遼(3年)の4バック、中盤は白土典汰(3年)と太田隼剛主将(3年)のダブルボランチ、右SH足立陽(3年)、左SH森駿人(3年)、そして、清水内定FW郡司璃来(3年)と久保原心優(2年)が2トップを組んだ。

 名古屋DF太田が市立船橋エースの郡司に対してマンマークを敢行。それに対し、市立船橋は時間が経過するに連れて徐々にボールを保持する時間を伸ばす。12分には、右CKから森がDFを剥がして右足シュート。17分には、高精度の左足で攻撃の中心となっていた太田の縦パスに森が走り込む。

 ここで名古屋GK小林と激しく交錯。小林の治療が明けた直後の21分に市立船橋が先制点を奪う。自陣からボールを繋いで前進すると、中央の太田が左サイドを攻め上がった内川へ展開。そして、内川が縦に仕掛けて上げたクロスに足立が飛び込む。こぼれを足立がシュート。ゴールラインのDFがかき出したが、最後は久保原が頭でゴールへ押し込んだ。

 市立船橋は前半26分に森が負傷交代。MF須甲優理(3年)を投入した。一方の名古屋は、序盤こそ小川や月岡がクロスを上げ切り、月岡がロングスローを投げ込んでいたものの、押し込まれる時間が増えてその回数をなかなか増やすことができない。

 だが、相手のクロス、セットプレーをGK小林中心に封鎖。終盤には押し返してクロスや原のスピードを活かしたカウンターへ持ち込む。そして、40+3分、右サイドから月岡が投げ込んだロングスローがGKの頭上を越えてゴールエリアへ。市立船橋DFがクリアしきれず、オウンゴールで1-1となった。

 だが、市立船橋がすぐに突き放す。後半2分、右ハイサイドで久保原がボールを収めると、足立が右足でクロス。ニアの須甲がスルーし、強引にDFの前に入った郡司が右足ダイレクトでゴールへ押し込んだ。3回戦まで得点ランキング首位タイの郡司は、今大会5得点目。エースのゴールで市立船橋が再びリードを奪った。

 勝ち越した市立船橋がボールを支配。だが、名古屋はコンパクトに守り、相手が縦に入れてきたところでボールを奪い取る。逆にカウンターから原がドリブルで仕掛け、10分にはクリアを拾った田中が右足ミドルを打ち込む。さらに15分には、月岡の左クロスを田中が頭で合わせた。

 対人プレーで負けずに速攻へ持ち込む名古屋は、22分に仲井を右WB杉本成空(1年)へチェンジ。齋藤を前線へ上げた。直後の24分には田中のインターセプトから左の原へラストパスが通る。だが、市立船橋右SB佐藤がスライディングでカット。高さを発揮する五来を中心にゴール前で堅い市立船橋は、決定打を打たせない。

 市立船橋は試合終盤、足立や太田が崩しに係わり、PAへ。だが、名古屋は最後の局面で粘り強く守り続ける。38分、名古屋は齋藤に代えてDF大村莉久(2年)を投入。足立を前線へ上げて反撃する。そして、ロングスローやFKでゴールを脅かすが、DF井上千陽(2年)を投入した市立船橋が弾き返して2-1で試合終了。準決勝進出を決めた。

(取材・文 吉田太郎)


●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP