beacon

堀越の2年生CB森奏は得意のヘッドと声でゴールを死守。「めっちゃ憧れ」の先輩超えの勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

堀越高CB森奏(2年=横河武蔵野FC U-15出身)が準決勝進出を喜ぶ

[1.4 選手権準々決勝 堀越高 2-1 佐賀東高 柏の葉]

 憧れの先輩のアドバイスを実践。182cmCB森奏(2年=横河武蔵野FC U-15出身)が堀越高(東京A)初の準決勝進出に貢献した。

 今大会、初戦から3試合無失点を続けてきた堀越は、準々決勝でも前半は佐賀東高(佐賀)を零封。だが、後半は我慢の時間帯が増えて33分に初失点を喫してしまう。その後も猛攻を受けてポスト、クロスバーに助けられるような展開だった。
 
 だが、森は「後半とか本当にキツかったんですけれども、押され続けて、『耐えろ』とか『集中しろ』とかいう言葉をみんなに言い続けて、今までで一番キツかった試合だったし、最後まで押し込まれたし、凄いキツかったんですけれども、1点失点してしまったんですけれども、みんなで最後まで頑張って守り切れた」と振り返る。2年生CBは相手にクロスまで持ち込まれる中、空中戦の強さを発揮していた。

「後半、相手がパワープレーで放り込んできて、自分が競れるところが多かったので、まずは前に跳ね返そうということを心がけていました。ヘディングはやっぱり自分は得意なので、そこは自分負けちゃいけないところなんで、勝てたと思います」

 CB渡辺冴空(2年)らとともに守り抜いた森には憧れの存在がいる。20年度大会で堀越初の8強入りに貢献し、同校初の日本高校選抜に選出されているCB井上太聖(現順天堂大)だ。森は「めっちゃ憧れ」の先輩から今大会期間中もアドバイスをもらい、それを好プレーに繋げている。

「(今大会序盤の戦い)自分が緊張しちゃって、全然自分のプレーができなくてミスも多かったので、太聖君に自分の悩みを言ったら、『まだ2年生だし、思い切ってやって良いんだよ』『ミスっても、次、自分で取り返せば良いんだから』という連絡をもらって、めちゃくちゃ励みになりました」

 苦しい時間帯も「自分のところに来い」くらいの強い気持ちと、アグレッシブなプレーで相手の反撃を封鎖。久保建英らのパーソナルコーチや筑波大テクニカルアドバイザーなどを務める中西哲生臨時コーチから学んだ足の出し方、身体の使い方もクロス対応に活かし、憧れの先輩の8強を超えた。

 次は携帯電話の待ち受け画面にしている国立競技場での準決勝だ。「これで堀越の歴史を変えたけれど、ここまで来たら東京の高校のみんなだったり、ここまで戦ってきた高校の分まで絶対に優勝しないといけない」。07年早生まれの2年生CBが、次は国立で近江高(滋賀)を封じ込む。

(取材・文 吉田太郎)


●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP