beacon

技巧派集団で貫いた個性と磨いた技術…昌平FW小田晄平は「成長を感じられた」大津戦ゴールを自信に大学へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

昌平高FW小田晄平

[1.4 選手権準々決勝 青森山田 4-0 昌平 浦和駒場]

 昌平高の背番号9を担ったFW小田晄平(3年=FC LAVIDA)の冬は悔しさとともに終わりを迎えた。

 準々決勝の青森山田高戦では裏への抜け出しやハイプレスから決定機も作ったが、ノーゴールで完敗。「自分たちと違うのはフィジカルの強さ。自分もそこには自信はあったけど、小泉(佳絃)と当たった時に小泉はブレていないけど自分はブレてしまっていて、そういう部分での差を感じた」と力不足を感じる一戦となった。

 それでも初戦の奈良育英戦(○7-0)、3回戦の大津高(○2-2、PK5-4)では全国ベスト8に導くゴールを記録。とくにMF前田大樹(3年)の縦パスを引き出し、細かいスペースから左足で沈めた大津戦のゴールは「動き出しからのファーストタッチで、練習していた形なので成長を感じられてよかった」という“名刺がわり”の一撃となった。

 ドリブルとパスで攻撃を組み立てるテクニカル集団において、フィニッシュを担うストライカーは異質な存在。そこでひたむきに3年間を過ごしてきたからこそ、生まれた個性があるはずだ。

「自分自身はスピードが売りで、縦にボールを蹴って走れば行けるというのが中学時代だったけど、高校に入るとそうはいかない。技術が上がったのもそうだし、出すか出さないかの判断力が上がったと思う」

「周りがうまい分、自分はそういう選手ではないけど、動き出しで味方からボールを引き出すのはこのチームのナンバーワンという自信はある。そういうところで活躍するのが自分の最大の役割だったし、そこが成長できてよかった」

 卒業後は東海大に進学する。よりダイナミックなサッカーを志向するチームに進むことで「より自分の良さを引き出せる大学だと思うので、自分の良さを出しつつチームのやるべきことをやっていきたい」と小田。「点を決めるのがFWの仕事。でもチームの役に立てるアシスト、攻撃の起点、なんでもできるFWになりたい」とハイブリッドな理想像を追い求めていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP