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青森山田が昌平を4-0粉砕!! 前回V“松木玖生世代”以来2年ぶりの国立準決勝へ

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前半2分、DF小沼蒼珠(2年)が先制ゴール

[1.4 選手権準々決勝 青森山田 4-0 昌平 浦和駒場]

 第102回全国高校サッカー選手権は4日、準々決勝を行い、高円宮杯プレミアリーグ王者の青森山田高(青森)が昌平高(埼玉)を4-0で破った。前半開始直後からパワフルに攻め込み、埼玉のテクニカル集団を圧倒。MF松木玖生(FC東京)らを擁して頂点に立った2021年度以来、2大会ぶりに国立競技場での準決勝に歩みを進めた。

 3回戦で広島国際学院高(広島)を7-0の大差で破った青森山田と、大津高(熊本)との高円宮杯プレミアリーグ東西対決を2-2の迎えたPK戦の末に突破した昌平との優勝候補対決。青森山田は3試合続けて同じスターティングメンバーを並べた一方、昌平はMF西嶋大翔(3年)に代わってFW鄭志錫(2年)が2試合ぶりの先発に入った。

 試合は立ち上がりから一気に動いた。迫力ある攻めを見せた青森山田は開始30秒、エースFW米谷壮史(3年)のヘディングシュートはGK佐々木智太郎(2年)のスーパーセーブに阻まれたが、二次攻撃で次々にCKを獲得。前半2分、MF芝田玲(3年)のキックは一度相手にクリアされたが、跳ね返りを拾って再びゴール前に送り込むと、ファーで反応したDF小沼蒼珠(2年)がダイレクトで突き刺した。

 さらに青森山田は前半4分、ハーフウェーライン付近からのFKを芝田がゴール前に送り込むと、昌平のクリアが後ろに流れてゴール前へ。これに抜け目なく反応していたDF菅澤凱(3年)が足を伸ばしてトラップし、ラストパスに飛び込んだDF小泉佳絃(3年)がペナルティエリア左の角度のないところから押し込んだ。

 2点ビハインドとなった昌平は前半8分、エースのFW小田晄平(3年)の裏抜けからチャンスを作るも、小泉のカバーリングに阻まれる。同11分には小田がハイプレッシャーから青森山田GK鈴木将永(3年)からボールを奪ったが、エリア内に流れたボールを収め損ね、無人のゴールにシュートを打ち切ることはできなかった。

 それでもなんとか攻めたい昌平は前半18分、ゆったりとしたビルドアップからDF坂本航大(2年)が縦パスでスイッチを入れ、昌平らしい急加速を見せると、これを受けた鄭が鋭いターンから前を向き、右斜め前にスルーパスを送り込む。これに反応したのはエースの小田。ところがGKとの1対1から放ったシュートは左に外れ、チャンスを逃した。

 すると青森山田がこの流れを逃さなかった。前半19分、小沼がロングフィードを左サイドに送り込むと、米谷がこれに反応し、ドリブルで縦に打開。深い位置まで押し込んで折り返しのパスを配球すると、後ろから走り込んだ芝田が冷静に右足で突き刺した。芝田は今大会初ゴール。昌平の実質的な下部組織であるFC LAVIDAで中学1〜2年時を過ごした背番号10がライバル相手に結果を出し、3-0とした。

 苦しくなった昌平は前半23分、早くもベンチが動き、MF前田大樹(3年)に代わって西嶋を投入。一方の青森山田も同27分、左サイドで躍動していたMF川原良介(3年)が負傷し、MF後藤礼智(3年)を送り込んだ。それでも青森山田は冷静さを失わず、強固な守備ブロックを継続。昌平は同37分、鄭に代わり、今大会3戦連発のスーパールーキーMF長璃喜(1年)を入れ、ハーフタイムを迎えた。

 後半も青森山田の優位は変わらなかった。まずは前半2分、小沼のロングスローに小泉が反応し、ファーストシュートを放つと、同4分に早くも追加点。芝田のFKをDF山本虎(3年)が頭で折り返し、ファーサイドで小泉が詰めると、相手にクリアされながらも菅澤と小泉が次々に反応。力技で押し込み、小泉の2点目で4-0とした。

 その後は青森山田がテンポを落として守備ブロックを構え、昌平がドリブル突破とパスワークで押し込む時間が続く。だが、MF長準喜(3年)と璃喜の兄弟によるドリブル突破、MF土谷飛雅(3年)とMF大谷湊斗(2年)の逆を取るプレー、MF西嶋の創造性あふれる崩しはことごとく青森山田の山本と小泉に阻まれ、決定機を作るには至らない。

 昌平は後半22分、土谷に代わってMF山口豪太(1年)を投入し、終盤の攻勢に期待をかける。それでも最後まで青森山田の強固な守備を崩せず、そのままタイムアップ。圧巻の試合運びを見せた青森山田が国立競技場への切符を手にした。

(取材・文 竹内達也)

●第102回全国高校サッカー選手権特集

竹内達也
Text by 竹内達也

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