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「頭で決めるのが醍醐味」今大会3点目も頭は初、青森山田DF小泉佳絃が守備では市船エースの郡司を封じる

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先制点を決めた青森山田DF小泉佳絃(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.6 選手権準決勝 市立船橋 1-1(PK2-4) 青森山田 国立]

 190cmの高い打点から叩き込んだ。青森山田高(青森)は前半11分、MF芝田玲(3年)の左CKにDF小泉佳絃(3年)が頭で合わせる先制点。2得点を挙げた準々決勝の昌平戦(○4-0)に続くセンターバックの2試合連続ゴールで幸先よく先制した。

「(山本)虎がセットプレーではニアに入る予定だったけど、虎がファーに走ったのでニアに走ったら良いボールが来た。高さではだれにも負けないので」。2万8926人の観衆が詰めかけた国立競技場での一撃。「国立で点を決めるのは気持ちいい」と微笑んだ。

 今大会通算3ゴール目となった小泉だが、ヘディングでの得点はこれが初めて。昌平戦の2ゴールはいずれもセットプレーの流れからこぼれ球を足で押し込む形だった。「頭で決めるのが醍醐味じゃないですけど、センターバックにはそういうのがある。練習してきたヘディングで決められて良かった。最高です」と胸を張った。

 本職の守備でも魅せた。市立船橋のFW郡司璃来(3年、清水内定)とたびたびマッチアップしながらも、厳しく寄せて自由を与えず、今大会通算5ゴールで得点ランキングトップに立つ相手エースを抑え込んだ。

「郡司選手はくっつきすぎると一瞬のスピードで抜かれる。ファーストタッチ際が弱点と分析していたので、ファーストタッチ際を狙いつつ、彼のスピードを出させないことを意識した。自分の自信にもなった」

 攻守に手応えをつかんで迎える決勝戦。相手は初の決勝進出で勢いに乗る近江(滋賀)だ。「この舞台を目指して青森山田に入った。青森山田のエンブレムを付けてできるのもあと1試合。3年間やってきたことすべてをぶつけたい」。高校サッカーの集大成。8日、国立競技場のピッチで190cmの体躯が再び宙を舞う。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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