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国立をゴールで沸かせた近江MF山本諒、次は日本一の歓声を浴びるために「成長して戻って来れたら」

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後半2分、近江高の2年生MF山本諒が同点ゴール

[1.8 選手権決勝 青森山田高 3-1 近江高 国立]

 55,019人の大観衆を沸かせた。後半2分、近江高は右中間へ抜け出したDF金山耀太(3年)が中央へラストパス。DFに当たってややコースの変わったボールをMF山本諒(2年)が右足でゴールへ押し込んだ。

「他の選手が崩しに入っていて、自分の感覚でボールが流れてくるかなという方に動いたら流してくれたので、決めるだけだったかなと思います」。後半開始からの出場後、わずか2分での同点弾。神村学園高戦での2得点に続き、2年生MFが再び大仕事をしてのけた。

 山本のゴールシーンでは、国立競技場がこの日一番と言えるほどの盛り上がり。「点取った時の歓声は国立独特の雰囲気があって、良かったです。率直に気持ち良かったなと。その歓声を勝利でもう一回感じたかったんですけれども、もう一度成長して戻って来れたらなと」。聖地で味わった特別な瞬間。その一方、勝てなかったことを反省し、来年、この舞台に戻ってくることを誓っていた。

 チームトップタイの3得点と結果は残した。相手SBの背後を狙い、青森山田高相手でも勇気を持って懐へ飛び込む動きにチャレンジし続けた。この大会で成長できたという実感はある。だが、満足はしていない。

「3年生に助けられている部分が大きいので、もっと自分のできる仕事を増やしていきたい。チャンスメークの部分や全体を自分中心に動かすプレーが少ない。もっとできるようにしたい」と意気込む。新チームのために、できることを増やさなければならない。

 先輩たちが近江の歴史を大きく塗り替え、全国決勝の景色を見せてくれた。そのチーム力、一人のミスを全体の声や動きでカバーしていた力を受け継ぐ。そして、先輩たちを超えるために何が必要か分析し、改善する考えだ。

「この舞台に3年生に立たせてもらって、感じたことはいっぱいあるんですけれども、あと一歩というところが足りなかった。まだ振り返り切れてはいないんですけれども、何が足りなかったのか明確にしていけば確実に頂点を取ることはできると思うので、そういうところを意識して頑張っていきたい」。今回の選手権で“切り札”として活躍したMFは、新チームでの自身の立場を理解。1年後、国立決勝で勝利の歓声を浴びるため、先頭に立って近江を引っ張り、より強いチームを作り上げる。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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