beacon

静岡産業大は4年ぶりインカレも2回戦敗退、一時同点弾の馬場&キャプテン平林は次代に思い託す

このエントリーをはてなブックマークに追加

同点ゴールを挙げた静岡産業大DF馬場俊輔(4年)

[12.11 インカレ2回戦 静岡産業大1-2関西学院大 味の素フィールド西が丘]

 意地の同点ゴールから2分後、ハンドによるPKで勝ち越しを許した。静岡産業大関西学院大に1-2で惜敗。一時同点となる得点を挙げたDF馬場俊輔(4年=佐賀東高)は「悔しいですけど、いま持っているチームの力は出せた。悔しいけど悔いはない。やり切った」と振り返った。

 Jリーグ内定者を4人擁する関学大を相手に、静産大は堅い守りからの速攻で勝機を見出す。だが、前半31分に失点を許すと、その後も守勢に回る時間が続く。守備に集中したことで追加点は許さなかったが、1点が遠かった。

 それでも小雨が降る後半からは、静産大も少しずつチャンスを作る。終盤にかけて鋭いパスで強引に敵陣まで入り込み、関学大のゴールを脅かした。すると後半39分に粘りの攻撃が実を結ぶ。

 PA右に入り込んだFW加藤政哉(3年=中央学院高)が左足シュート。ブロックされたボールは馬場の足下に転がってきた。最後方からゴール前に繰り出したCBは、冷静に右足を振り抜き、ゴール上に叩き込む。「うまくファーストタッチが決まった。ゴール前に人がいるっていうのが感覚的にわかったので、上を狙って右足で打ちました」(馬場)。残り時間が少ない中で、試合を振り出しに戻した。

 喜びを爆発させる静産大だが、その2分後にまさかの展開に。自陣内で味方選手がハンドをしてしまい、関学大にPKを献上。FW木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)にゴールをこじ開けられ、勝ち越しを許してしまった。再び劣勢になった静産大に追いつく力は残されておらず、そのまま敗北が決まった。

 静産大は2020年度のコロナ禍特例全国大会#atarimaeni CUPには出場したものの、インカレ自体は2018年度以来4年ぶり、3大会ぶりの出場だった。当時の記憶がある選手はいない。同点ゴールを決めた馬場は「先輩が行ったことがない景色を見てみたいと思った。だけど、うまくいかなかったですね」と肩を落とす。「後輩たちには来年またリベンジをしてもらいたい」と思いを次代に託した。

 キャプテンマークを巻いたMF平林将弥(4年=東大阪大柏原高)は「東海王者として今年は乗り込むことはできた」と最終学年でのインカレに胸を張る。それでも関西王者に屈したことには悔しさをにじませる。「PKで取られただけと思われるかもしれない。だけど、関西王者として向こうが逃してはくれなかった。そういうところの差が出た」と敗戦を飲み込んだ。

 平林はまた後輩への思いを語る。「4年生が引っ張るのは当然。いまトップに4年生が7人いて、1、2、3年生もついてきた。東海を取ってインカレに臨んだ。残せるものがあったかはわからないけど、後輩も感じるものはあるはず。東海チャンピオンになって一区切りついて、いいものを見せられたかなと」。全国出場を置き土産に、下級生に期待を寄せた。

(取材・文 石川祐介)
●第71回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP