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大学サッカーを終えた関西学院大の京都内定FW木村勇大、敗戦を糧に「Jリーグの舞台で結果を出す」

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関西学院大FW木村勇大(4年)

[12.25 インカレ準決勝 桐蔭横浜大2-1(延長) 関西学院大 カンセキ]

 関西屈指の大学生ストライカーは今大会2度目のPKを決め切り、試合を振り出しに戻した。だが、関西学院大は延長戦で屈す。FW木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)は「この4年間で自分もチームも大きく成長できた」と大学サッカーを振り返った。

 出番はすぐにやってきた。京都サンガF.C.での活動や代表招集の影響もあってコンディション調整が長引いたため、インカレはベンチスタートが続いた木村。だが、準決勝では前半13分に途中投入される。もう一人のエース、FW山田剛綺(4年=京都橘高/東京V内定)が前半9分にもも裏を痛めてしまい、プレー続行不可能となったからだ。

「(山田は)早すぎたのでごめんと言ってきてくれた。彼は自分が夏からいない間ずっとチームを引っ張って、インカレもやってきてくれた。あいつはすごく悔しかったと思う」。託されたストライカーの役目。木村は類まれなフィジカルで相手との競り合いを制し、前線のボールの収めどころとして立ちはだかった。

 しかし、関学大は前半終了間際に失点を喫する。後半からは0-1で追いかける展開。それでも攻勢を強めてゴールを狙い続けた。ようやく結実したのは後半45分だ。途中出場のDF稲田翔真(2年=神村学園高等部)が敵陣内でファウルを受けてPKを獲得。木村がキッカーを志願する。2回戦でのPKは“パネンカ”で決勝ゴールを挙げていた。

「きょうも(パネンカ)やったろうかなと思ったんですけど、映像を見られてたら危ないので普通に決めました」。時間は残されておらず、外せば敗戦濃厚の場面。「久しぶりにちょっとだけ緊張した」とも明かす木村は、相手GKの動きを見計らい、冷静に同点ゴールを決め切った。

 後半45分のゴールで1-1となり、試合は延長戦に突入。そのまま延長前後半30分が過ぎ去ったが、延長後半アディショナルタイムに桐蔭横浜大に一瞬の隙を突かれて失点。関学大は1-2で敗れ、2015年以来となる決勝進出を逃した。

 大学サッカーの終わりは、プロサッカー選手の始まりとなる。なによりも結果が評価となる世界。木村も「来年一年目から相手のレベルも上がる。結果を残していかないと大学4年間も意味ないものになってしまうし、きょうの負けも意味ないものになってしまう」と気を引き締める。

 2024年パリ五輪世代として、代表活動も本格的に狙うつもりだ。今秋にはU-21日本代表に初招集され、海外遠征に帯同した。「初めて海外とやってすごく新鮮でした。W杯でもあったように、世界の強豪にも日本は通用すると感じた」。そのためにもまずはJリーグで活躍する。「上だけを見るんじゃなくて、まずはJリーグの舞台で結果を出す。それで(代表に)選ばれて、そこでも結果を出す。先を見ずに足下を見て、しっかりコツコツやっていければ」。大学サッカーの意味を、プロでの活躍で証明してみせる。

(取材・文 石川祐介)
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