beacon

関西学院大FW望月想空、明治大から逆襲2ゴールも「今年は勝負どころで結果を残せていない」来季FC大阪でJ3得点王狙う

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW望月想空(4年=関西学院高/FC大阪内定)

[12.10 インカレ2回戦 明治大 5-3 関西学院大 保土ヶ谷]

 絶体絶命の5点ビハインドから意地の2得点を挙げたが、勝利を掴むことはできなかった。関西学院大は明治大とのインカレ2回戦で、打ち合いの末に敗退。試合後、FW望月想空(4年=関西学院高/FC大阪内定)は「初めの5失点がこの試合の全てだった」と悔やむしかなかった。

 立ち上がりから明治大の猛攻を受け、前半38分までに0-5という衝撃的な点差をつけられたこの日の関西学院大。それでも背番号11はゴールを狙い続けた。「僕の中ではまだ諦めていなくて、最後まで本当にひっくり返せると思ってプレーしていた。前半のうちに1点でも2点でも返すことしか頭になかった」(望月)。その姿勢はハーフタイム直前に結実した。

 前半アディショナルタイム2分、左サイドからのクロスに反応した望月はDF岡哲平(4年=FC東京U-18/FC東京内定)との競り合いを制し、ファーサイド寄りでトラップ。「初めはニアに行こうとしたけど、身体を入れられそうになったのでファーに行くという駆け引きがうまくいった」。最後はシュートフェイントで左に持ち出し、冷静にゴールに沈めた。

 さらに1-5で迎えた後半18分、次の1点も望月が決めた。

 味方が左サイドでFKを獲得すると、すぐにDF山本楓大(1年=鳥栖U-18)、MF高木大輝(4年=京都橘高)とこっそり会話。高木のキックがニアサイドに送り込まれ、そこに飛び込んだ望月がワンタッチで決めた。「ニアの裏に走ってくれと高木から言われたのでその通りに走り込んだらボールが出てきてうまく決められた」(望月)。阿吽の呼吸で明治大守備陣を出し抜いた。

 それでも直後、望月はMF濃野公人(4年=大津高/鹿島内定)との交代でベンチへ。「点を決めていただけに交代に納得がいかない部分もあったけど、下がってからは声をかけるしかなかった。やることをやろうと思った」。その後、チームはMF倍井謙(4年=名古屋U-18/名古屋内定)のゴールで1点をさらに返したものの、反撃は及ばず。大学サッカー生活が幕を閉じた。

 試合後、涙を浮かべてミックスゾーンに姿を見せた望月は声を詰まらせた。「同期の中にはサッカーを続けたくても続けられない仲間がいて、その中で自分はサッカーを続けられるのは幸せだけど、だからこそこの試合に勝ってちょっとでもみんなと長くサッカーをしたかった。悔しいです」。自身はJ3リーグのFC大阪に加入することが決まっている中、これで第一線の競技生活から引退する同期への思いがにじんだ。

 それでもこの悔しさはサッカーで乗り越えていくしかない。

 関東の強豪大との対峙を振り返った望月は「明治のプレッシャーは今までやったチームで一番速かったし、個人個人のところでレベルも高くて良い経験になった」と総括。J1に進む岡との対峙には「要所要所でボールが関係ない場面で身体を入れられたりしたのはやったことない感触で、背後の部分では通用しないなと感じたことがあった」と違いを認め、さらなる成長の必要性を感じていた。

 来季の目標は、今季チームにタイトルをもたらせなかったこと、あと1点でFW百田真登(関西大4年/奈良内定)に及ばなかった得点王のタイトルをJ3の舞台で獲得することだ。「今年は勝負どころで結果を残せていないので、しっかりチームを勝たせたい。関西であと1点で得点王になれなかったのでJ3得点王に絶対になりたい」。1年目から臆することなく、勝負に出ていく。

(取材・文 竹内達也)
●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP