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ドイツで結果を出した香川「この半年で得た自信を、代表での結果につなげる」

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 11-12シーズン、ドルトムントのクラブ史上初めての2冠獲得の立役者となった日本代表MF香川真司が、28日の練習後、最終予選に賭ける思いを口にした。4-2-3-1の3の左に入ることが予想される香川が、「攻撃の確認に取り組んだ」というこの日の練習で特に意識したのが、逆サイドにボールがあったときの動きだ。「右でボールを持ったら、左の選手が2トップみたいな役割をするようにと監督には言われます」と言い、サイドからゴール前に飛び出し、得点を狙いに行く動きを確認した。

 ドルトムントでは、トップ下を務めているが、代表でのポジションとは異なっている。これまではトップ下へのこだわりも口にしていたが、この日の練習を終えた香川は「楽しみたい」と話した。

「代表でトップ下をやっても、ドルトムントとは違うから。それはウズベキスタン戦で経験して感じたし。チーム、選手が変われば、すべてが違うので、そこまで気にしていません。左には左の面白さもあると思うので、それを楽しんで自分のプレーの幅を広げる意味でも、チャレンジをしていきたいなと思います。もともとトップ下だけの選手ではないですし、どんなポジションであれ、結果が求められる。どうゴールをこじ開けるかっていう意味では、良いトレーニングになるのかなと思います」

 結果。ドイツに渡った香川が、何よりもこだわってきたものだ。11-12シーズンには、ドイツ・ブンデスリーガで13得点を挙げ、日本人の1部リーグ最多得点記録を更新した。大舞台での経験を積み、結果を残したことで、自信も膨らんだと話す。

「シュートへの意識、結果へのこだわりは僕自身持っています。チャンスが来れば必ずシュートを決めるという強い気持ちを持っているし、(欧州でのプレーが)自信にもつながっています。次の試合(オマーン戦)でも、そこにこだわって、チームの結果につながることをしたい」

 4年前は代表に呼ばれるか、呼ばれないかの当落線上にあったが、今では不動の中心選手へと成長した。だが、香川自身は代表での自分に物足りなさを感じていると明かす。

「もちろん、4年前の僕とは立場も違います。それは4年間で自分がいろいろ勝ち取ってきたモノだと思う。ただ、代表での自分っていうのは、もっともっと求めていかないといけない。クラブチームはずっとやれるから、自然と自分の色を出せていけるけど、代表のときにもっと個人を主張しても良いと思います。そこはある意味、自分の新たな課題だと思う」

 だからこそ、この最終予選に賭ける思いは強い。

「3次予選はなかなか結果が出なかったから、これから始まる最終予選で、この半年間で得た自信を、今度は代表でもう一回、結果に結び付けられるようにしたい。それは自分でもすごく期待しているし、この3連戦が大事になることは分かっているので、集中して頑張っていきたいと思います」

 ドルトムントでつかんだ揺るぎない自信を胸に、日本代表の10番は最終予選を迎える。

(取材・文 河合 拓)

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