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代表合宿4日目、練習後の選手コメント

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 W杯アジア最終予選・オマーン戦(6月3日、埼玉)に向け、埼玉合宿中の日本代表は28日、合宿4日目となる練習を行った。前日27日はクールダウン中心の調整だった国内組も全体練習に合流したが、DF伊野波雅彦(神戸)は右太腿痛のため別メニューで調整した。23日のアゼルバイジャン戦(2-0)で腰を痛め、別メニューが続いていたFW森本貴幸(ノバラ)は練習に合流した。

以下、練習後の選手コメント

●FW清武弘嗣(C大阪)
―トゥーロン国際大会のエジプト戦は見た?
「見てないです。次に切り替えて、自分もがんばります」
―グループ最下位で敗退となったが?
「自分が入っていないのでどうこう言えないけど、すごくいい経験になったと思う。1勝2敗という今の現実を受け止めて、あとちょっとやれば大丈夫だと思う。焦ることはない。みんなが見つめ直してやれれば。自分はこっち(A代表)にいるので、こっちに集中してやりたい」
―最終予選のイメージは?
「1試合1試合が大事。全部の試合が厳しい戦いになる」
―代表初ゴールも狙う?
「そういうのも期待されていると思う。でも自分のことよりチームのことを考えてやれれば」
―アジア予選では引いた相手も想定されるが?
「遠目からのシュートとかが有効になるし、そこから相手も出てきてスペースが空く。後半は相手も疲れて、スペースが空いてくると思うし、勝負どころでしっかり決められれば」
―トゥーロンには宇佐美ら海外組も多数参加していたが?
「海外に行った選手はもまれているし、自分たちが知らないことも知っている。そういうのをチームに伝えてくれれば、チームとしてもプラスになる。A代表でもそうだし、自分たちは必死に付いていっている。五輪代表もそうなればいいと思う」
―A代表での経験をロンドン五輪で生かす?
「それはいつも考えているけど、今は最終予選に集中して、それから五輪のことは考えたい」

●FW宮市亮(ボルトン)
―合宿には慣れた?
「そうですね。だいぶ時間も経って、いい感じで入れているなと思います」
―アゼルバイジャン戦に出て意識は変わった?
「自分が自信を持っている形をうまく引き出してくれる選手がたくさんいるので、そういう人たちに自分の力を引き出してもらえるように、しっかり動いていきたいと思う」
―スピード生かすための心がけは?
「コミュニケーションを取ることで、それがフィールド上にも生きてくるので。そういうことが大事かなと思います」
―FA杯の得点シーンが理想?
「やっぱりファーストタッチでプレーが決まると思うし、あの形で抜けたのは良かったかなと思う。それを代表でも出せるように、頑張っていきたい」
―アゼルバイジャン戦では足下で受けることが多かった?
「そうですね。足下と動いて受けるという2つのパターンを持つことが自分の幅を広げると思うし、今度チャンスがあれば、そういうところも見せていきたい」
―途中出場で入るときは、相手も疲れていると思うが?
「スピードのある選手が入ってくると相手も嫌だと思うので、そういうところで自分も生きてくると思う」
―オマーン戦では親友のアルアブシがゴールを守るが、点は取れそう?
「そうですね。ピッチに入ったらそこは関係ないので、しっかりとゴールしたいと思います」
―「2戦目に強い」と言っていましたが?
「そうですね。プロに入って2戦目で点を取っているので、今回もそうなればいいかなと思います」
―W杯はどんなもの?
「小さいときからの夢だし、日本中が熱くなる、世界中が熱くなる、そういう大会。その舞台に立つためにもこの最終予選が大事になるので、しっかり頑張ろうと思います」
―日の丸つけて初の公式戦になるが?
「そうですね。まだ本番を体感していないので分からないけど、6月3日になったときには緊張感がピークに達しているのかなと思う」
―本田選手から得るものは?
「やっぱり堂々としているというか、そういう姿勢は世界で培ってきて、W杯でも結果を出した人だなと感じました。ストイックさだったり、プロとして、そういうところは見習っていきたいなと思います」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
―オマーンの分析はまだこれから?
「相手の分析は普段からしない。監督がいろいろ考えながら、相手に合わせた練習メニューを考えていると思う。僕らは基本的にやることは変わらない。もちろん、細かいところではあるけど、それは試合前日のミーティングがあるし、そこから具体的なイメージをしていく」
―自分が出ていなかったアジア3次予選の映像は見ている?
「まだゴールシーンも見ていない。話はなんとなく聞いている」
―ラスト2試合は連敗だった。
「あまり参考にならないというか、(3次予選)突破も決まっていた。親善試合とはいえ、こないだの試合(アゼルバイジャン戦)でその流れは断ち切った。ここから最終予選の中で勝ち癖を付けていく必要がある。勝ち癖を付けられるか、付けられないかの3試合になる」
―アジア予選では引いた相手とも戦うことになるが?
「引いて中を固めてくるサッカーに有効な攻撃としては、オーストラリアみたいにシンプルに放り込んで点で合わせる合理的なサッカーが一番いい。でも、それをするには、それなりの駒が必要。オーストラリアの真似をしたところで本家のサッカーには追いつかないし、それはナンセンス。
 自分たちのいいところを、ボールをつないで崩すというのをやり続けようとするのは大事だけど、そのサッカーで引いた相手を得意とするチームはない。バルサでもアウェーでは毎回苦しんでいるのは、引いた相手をなかなか崩し切れないから。それでカウンターから危ない場面を招くシーンはバルサにもある。そういう中で紙一重でも勝つことが大事。大差で勝てるほど、サッカーは甘くない。
 主導権を握ることは大事だけど、高い位置でボールを保持できるか。選手が少しでも危険なポジションを取っていけるか。高い位置でのボールポゼッションは、当然、相手のプレッシャーも激しい。その中で横パスを入れたり、緩急を付けたりできれば、見ている人も『今までとは違うボール回しをしてるぞ』と感じると思う」

●MF香川真司(ドルトムント)
―今日のトレーニングは?
「攻撃の確認をしましたね」
―どういうことを確認したい?
「逆サイドがボールを持ったときとかの動き出しで、右で持ったら左の選手が2トップみたいな役割をしてというのは言われますね。ただ、相手も2ラインを引いて守備を固めてくると思うので、そんなにうまくはいかないと思う。それは試合をやりながらしか分からないですが、ボールを支配しながら、うまく攻撃を組み立ててできたらいいのかなと思います」
―最終予選も近くなり、雰囲気は変わった?
「特にはないですね。今日も結構、アジリティを、アップ前にやりましたし。まだ1週間ありますし、体にはハードなトレーニングですけど、やり直して、その中でまた2、3日後になれば中身の濃い練習になっていくと思うので、徐々に上げていきたいと思います」
―Jリーグ組も全体練習に合流したが?
「まだ1日目ですし、これからですね。そんなに久しぶりでもないですからね。メンバーもある意味固定されつつあるから、そこまで苦労することもない。ただ、時間があることに越したことはないので、こういう1日1日を大切にして練習していきたい」
―オマーン戦へのイメージづくりは?
「まだビデオを見ていないので。でも、どの試合も、3次予選もアゼルバイジャン戦もそうだけど、やっぱり引いた相手に対してなかなか崩し切れていない。そういう意味では次もそういう試合になると思うし、うまくチームが連動して、一つの形を持ってやらないといけない。お互いにどのタイミングでボールが欲しいとか、こういう動きをしたらこうしたいというのは、今日の練習の中でも確認し合えた部分もある。明日も紅白戦とかをできたら、なおさら試合のイメージも付きやすいと思うから、そういう意味で1日1日、もっといろいろなことをやりながら確認してやりたい。あとはシュートチャンスで決定的なチャンスがないと思うので、そういう中でいかに決められるか。徐々に本当に集中してやっていけたらいいかなと思います」
―アゼルバイジャン戦は中央を意識した?
「中央で相手を崩すことができたらベストだけど、そこまでのスペースを与えてくれないし、そういう意味では中央に入って、(ボールを)もらってシュートというイメージを持って、シュートを打てるチャンスや隙があれば狙っていきたい。中央でボールを受けてシュートを打つのが相手にとっては一番怖い。そこのスペースを消されるのは分かるけど、そこはコンビネーションで。1回のワンツーでシュートに行けるチャンスだったり、FWに落として打てるチャンスがあるのであれば、(本田)圭佑くんだったり、シュート力がある選手は多いので。僕もそういうところを狙っていきたいし、ちょっとかわしてシュートはイメージしながらやっていけたらいいのかなと思います」
―クラブではトップ下、代表は左。戸惑いは?
「代表でトップ下をやっても、ドルトムントとは違うから。それはウズベキスタン戦で経験して感じた。チームが変われば、選手が変われば、すべてが違うから。そこまで気にしていないというか、左には左の面白さもあると思う。それを楽しんで、自分のプレーの幅を広げる意味でもそうだし、チャレンジしていきたいと思う。新鮮で、楽しいというのもありますし」
―左の楽しみとは?
「もともとトップ下だけの選手ではないし、そこは流動的にやって。どんなポジションであれ、結果が求められるので、そのためにどうゴールをこじ開けるかという意味では、良いトレーニングになるのかなと思います」
―欧州で点を取って自信を持ってできる?
「シュートへの意識、結果へのこだわりは僕自身、持っています。チャンスが来れば必ずシュートを決めるという強い気持ちを持っているし、(欧州でのプレーが)自信にもつながっている。次の試合でもそこにこだわって、チームの結果につながることをしたい。この1週間で調整して、準備して、やっていきたいなと思います」
―4年前とは立場が違うが、やりがいは?
「もちろん4年前の僕とは立場も違います。それは4年間で自分がいろいろ勝ち取ってきたモノだと思う。ただ、代表での自分というのを、もっともっと求めていかないといけない。クラブチームはずっとやれるから、自然と自分の色を出せていけるけど、代表のときにもっと個人を主張しても良いと思う。そこはある意味、自分の新たな課題だと思う。そういう意味では次の最終予選。3次予選はなかなか結果が出なかったから、この半年で得た自信を、今度は代表でもう一回結果に結び付けられるように。それは自分でもすごく期待しているし、この3連戦が大事になることは分かっているので、集中して頑張っていきたい」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―引いた相手との戦い方は?
「焦れずに戦えたらと思いますね」
―中東の相手の印象は?
「僕もやったのが4年くらい前だし、メンバーも変わっていると思いう。戦い方も多少なりとも変わっているかもしれないけど、基本的にはロングボールが多くなるだろうし、しっかりとそのあたりの対応というか、日本にとって守りにくい守り方にならないように、自分たちがやっていければいいのかなと思います」
―アゼルバイジャン戦の印象は?
「ずっと攻めていたので、あれですけど。海外組のコンディションを整えることもそうだし、新しく入った選手もいた。良いコンビネーションもできていたと思うので、それを次の試合でも続けていけたらいいと思う。前半の早い段階でリードできるような展開になれば、さらにチャンスも広がると思うので、あまりズルズルと時間を引きずらないように、そういう展開に持っていければ一番ベターかなと思います」
―最年長だが、最終予選の雰囲気づくりは?
「しっかりと良いトレーニングさえ積めれば良いとは思う。海外組も多くなったし、集まれる機会としては今回は久しぶりに長いので、いいコミュニケーションを取ること。あとは毎回の練習をしっかりこなしながらやっていけば、自然と良い雰囲気になると思う。みんな予選の、特に最初の試合というのがどれだけ大事かは分かっていると思うので、あまり言うこともない。初戦に向けてだんだんと気持ちを高めてやっていけたらいいなと思います」
―ザッケローニ監督の下、引いた相手を崩す方法に発見や手応えは?
「あまりないけど、引いた相手に対しては、工夫しながら攻めればいいだけの話なので。あまり心配はしていないし、自分たちの戦い方ができないような形には持っていきたくないので。打開策を考える必要もあるかなとは思うけど、あまり考え過ぎてもよくない。監督もそんなに口うるさくそういうことを言ってはいないので、今はいい準備をすることだけに集中したいなと思います」
―ホームでスタートすることについては?
「相手にとってはやりやすいというか、分かりやすい。勝ち点1を取ればOKというくらいの感覚で来ると思うので。僕らは当然、勝ち点3を欲しい気持ちもあるけど、攻め急いだりとか、慌てたプレーをする必要はない。90分を通して相手より1点多く取ればいい。前へ前へというのは、最初は必要かなと思うけど、状況によってコントロールできたらいいのかなと思います」

●DF内田篤人(シャルケ)
―27日のオマーン対レバノンの親善試合は見た?
「見てない。どこでやったの? オマーン、マスカット? どっちが勝ったの? 1-1? レバノンって俺らやったことあるの? レバノンってどこ? なんか全部一緒な感じがするよね。レバノンもオマーンも……その次は出てこないや。あ、ヨルダンとかか」
―どういうイメージ?
「自由にやらせるとやられるかなという感じ。自由にさせなければ、やれる相手だと思うけど」
―ホームとアウェーでまた違う?
「向こうに行ったときのドンヨリした感じはあるよね。なんか独特の雰囲気があるよね」
―そんな相手と戦う上で大事なことは?
「コンディションと、こうやって非公開練習をやっているけど、集中して準備していくこと。あとは同じ方向を向いてやっていくこと。試合が始まってスタートというより、こういうところから始まっていると思う。どれだけ準備ができるかだと思う。もちろん、試合が始まってからもゲームを見ながら、どういうゲームになるかは分からないけど、基本はホームだし、自分たちの試合運びでやっていかないと」
―監督も緊張感を出している?
「いや、そうでもない。そういう人じゃないというか、いろいろな経験をしているから。慣れているかは知らないけど、戦い方は知っているんじゃないかな。監督がどっしりしてくれれば、俺たちも『ちゃんとやればいいんだな』という感じです」

●DF栗原勇蔵(横浜FM)
―コンディションは?
「Jリーグもあったので、コンディションはすごくいい」
―CBはポジション争いも激しいが?
「アピールも大事だけど、勝つことが一番大事。総力戦だし、ベンチのメンバーが盛り上げてやっていきたい」
―目標としている選手は?
「マリノスの先輩にはすごい人がいっぱいいる。まずその人たちに追いつけるようにやっていきたい。自分が小さいころは井原さん。今なら(中澤)佑二さんやマツさん(松田直樹氏)。お世話になった人がたくさんいるし、目標にやっている」
―中澤選手から最終予選に向けたアドバイスなどはあったか?
「そんなに細かいことは話さないけど、(代表から)疲れて帰ったりすると、気持ちを分かってくれるし、話して癒されてました」
―最終予選が始まるが?
「今までミスなくというか、先輩たちはずっとW杯に出てきたけど、すごい難しい戦いになると思うし、今回も(W杯に)出られるようにがんばりたい」
―最初の3連戦に向けては?
「この3試合で勝ち点をできるだけ稼ぎたい。中東のアウェーは大変になると思うので、ホームでは絶対に勝ちたい」
―オマーンとの初戦については?
「初戦だけど、ホームでやれる。引き分けとかではなく、絶対に勝ちたい」
―背番号4を本田に譲ったということだが?
「彼が『付けたい』と言ったので。もともと(4番が)自分の番号とは思っていなかったし、快く譲ったというか、『付けてください』と。自分はあんまり(背番号に)こだわりがない。本田クンが付けた方が盛り上がると思うので。自分は何番でもいい。試合に出られるようにがんばりたい」

●DF伊野波雅彦(神戸)
―別メニューだったが?
「少し違和感があったので。前回のJリーグで痛めた。そんなに長い時間はかからないと思う」
―クロアチアから戻ってきた理由には代表のこともあった?
「あっちに残るにしろ、帰って来るにしろ、目標としてW杯に出たいというのは変わらなかった」
―アジア最終予選が始まるが?
「難しい試合になるのは分かっている。でも絶対に突破しないといけない」
―どんな役割を果たしたいか?
「いろんなポジションができるので、そこを期待されていると思うし、与えられたポジションで役割を出して、チームが苦しいときにしっかり戦えれば」
―今日から国内組も混ざって本格的な練習が始まったが?
「長くやっている選手も多いし、若い選手も多い。勢いとチームワークを大事にやっていきたい」
―オマーン戦に向けては?
「初戦が大事なので、みんなで力を合わせてやっていきたい」

(取材・文 西山紘平、河合拓)

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