beacon

日本vsヨルダン 公式練習後のザッケローニ監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表は7日、W杯アジア最終予選・ヨルダン戦に向け、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行った。

以下、練習後の監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「いよいよ第2戦に挑むが、この試合を戦った時点で残りは6試合になる。残り試合が少なくなればなるほど、試合の大事さは増してくる。明日の相手はアジア杯の初戦でも対戦して、非常に苦労させられたことを覚えている。相手チームの印象としてはピッチ上で戦って来るなと。アジアの中での戦いとしては、いつもと同じようになかなかスペースを与えてくれない戦いになるのではないかと思っている。

 チームには継続性を求めていこうと思っている。いい形で第1戦に入れたので、第2戦も引き続きいい形で入れればと思っている。明日のゲームは難しくなるとは思うが、勝利を目指して戦っていかないといけない。選手たちを信頼しているんだという気持ちを伝えることができればよかったと思うし、それを選手が理解してくれていればなおいい。選手への信頼度は高い。その気持ちを選手が理解してくれていればいいなと思っている」

―4日前に比べて選手たちの動きは軽くなったか? 合宿が長いが、精神的な疲労を避けるためにどうしているか?
「オマーン戦の選手たちのフィジカルコンディションは非常によかったと思っている。オマーン戦に向けて負荷をかけたが、状態はよかった。1試合目よりは2試合目の方が試合までの時間が短いので、負荷をかけるというよりは調整という練習になっている。日本代表に来ている選手はメンタル面でもバランスが取れていて、インテリジェンスな選手が多い。それは食事中でもピッチ上でも見受けられることで、非常にいい雰囲気で進んでいると思っているので、メンタルの部分で特に監督が手を差し伸べるようなことはない。
 チームコンセプトについてはオマーン戦の前にかなりの情報量を入れたが、オマーン戦が終わってヨルダン戦まではインフォメーションの数を少なくして、個人の詳細なインフォメーションを出すにとどめている。私からの指示は初戦の前と比べると少なくなっているので、もしかしたらメンタルの面でストレスは軽減されているかもしれないが、代表での日数はあまりに少ないので、私の情報が選手にストレスを与えることはそんなにないと思っている。キャプテンからのプレッシャーが一番きついのではないでしょうか(笑)」

―オマーン戦を振り返ってヨルダン戦に生かせる点、逆に改善しないといけない点は?
「オマーン戦でよかったところは、その精度をさらに上げて明日の試合も出していきたい。少ないが、課題、修正点は明日の試合で当然変えていかないといけない。具体的には言わないようにする」

―内田がイエローカードを受けているが、何か考慮するか? ヨルダンはアジア杯のころと違いはあるか?
「この時点で大切なのは、明日の試合だと思っている。明日の試合に全力で臨むこと、集中することが大事だと思う。先ほども言ったが、ヨルダンは油断できない相手で、アジア杯の初戦でも苦労させられたし、ヨルダンはそのアジア杯で大会を通じて素晴らしいパフォーマンスを見せた。W杯の3次予選も素晴らしいペースで勝ち点を積み重ね、楽々と突破してきた実績がある。これまでの予選もそうだったが、いかに目の前の試合に100%で臨むかということを考えてチョイスしてきた。チームの計画を考えた試合はこれまでに2試合だけあった。一つは平壌の試合、もう一つはホームでやったウズベキスタン戦。それは他のことも考えながらフォーメーションを組んだが、明日のヨルダン戦に向けては最終予選最後の試合のつもりで臨む」

―日本は過去にヨルダンと対戦して90分で勝ち切ったことがないが?
「04年のアジア杯のゲームは個人的に見ていないし、そのときはまだ日本にいなかった。11年のアジア杯の試合は非常に激しい試合だったと思っている。あれから日本代表も成長していると感じているし、その手応えもつかめている。自分たちが目指しているサッカー、やりたいことは明確だし、それをできるか否かが大切だと思っている。それは明日の試合だけでなく、今後、日本代表が戦っていくうえで、どの試合でも自分たちのやりたいことができるかどうかで試合は変わってくると思う。
 付け加えたいのは、明日選手にも言おうと思っているが、ルールを尊重するようにということを言いい。選手が一人、ピッチで倒れていても、レフェリーが笛を吹くまではプレーを続ける。相手チームの選手が倒れていても、レフェリーが笛を吹かなければプレーを続ける。そこの判断はレフェリーの管轄であり、レフェリーが決めるべきことで、自分たちからプレーを止めることはない」

―オマーン戦のあと香川が「もう少し前でプレーしたかった。ゴールできなくて残念」と話していた。ハーフタイムには本田と「もっと自由に動いていい」と話したそうだが、2人の関係をどう見ているか?
「日本語がなかなか理解できないので2人がどんな話をしているのかまでは分からないが、見ている限りでは良好な関係だと思っている。試合前や試合中、ハーフタイムに励まし合っているということなら非常にいい関係だと思う。選手たちはピッチの中で各々の役割を分かっているので、その確認をしたと思う。香川はオマーン戦でいいアシストもしたし、いいタイミングで進入していって、内田からのボールを受けてシュートまでいった。これはあとから見直したが、全然オフサイドではなかった。今プレーしているようにやってくれればいいし、時にアシストに回って、時にゴールに向かうような今のやり方でいいと思う」

―本田が試合翌日に「90分出てダメージがある」と話していたが、コンディションは?
「疲れているということだが、私が見る限りはそこまでは疲れていないと思ったので、交代しようということも頭になかった。本田には、できることを明日の試合でも出してほしい。時にMFとして、時にアタッカーとして、その状況に応じて適切な判断を下せる選手なので、明日の試合も自分ができることをピッチでやってほしい。時にシステム論などで話が盛り上がることがあるが、監督として大切な仕事は手元にある選手の能力をどういう風に最大限に生かしてあげられるかにあると思う」

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP