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敗戦にも前向きな佐々木監督「そんなにガッカリはしていない」

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[7.19 国際親善試合(女子) 日本0-2フランス パリ]

 380日ぶりの零封負けにも前向きだった。日本女子代表(なでしこジャパン)はロンドン五輪前最後の強化試合でフランスに0-2の敗戦。昨年7月5日の女子W杯・イングランド戦(0-2)以来、18試合ぶりの無得点に終わったが、佐々木則夫監督は「いい相手と、いいオリンピックの準備になる試合ができた。結果が出なかったことは残念だが、これを次への励みにしたい」と穏やかな表情で語った。

 まだ本番ではない。「バケーションを取ってリフレッシュして臨んできた」(佐々木監督)というフランスに対し、日本は国内合宿から通してハードな練習メニューで追い込み、「準々決勝のイメージ」で試合に臨んだ。体が思うように動かず、ミスも目立ったが、あくまで“五輪前哨戦”。本番に向けて、課題という収穫を手にした。

 後半29分にCKから喫した2失点目については「体を寄せて、自由を奪う競り方をやってきたが、次元の違う高さだった。3階からヘディングシュートをされたような感じ。あれは仕方がない」と“お手上げ”だったが、流れの中では想定していたとおりの展開になった。

 4-2-3-1のフランスに対し、トップ下のMFネシブをケアするため、最終ラインを押し上げて全体をコンパクトにし、相手を2トップの状況にする狙いがあった。しかし、ラインを上げるためには前線からプレッシングをかける必要があるが、90分通してプレスにいくのは難しい。狙いどおりとはいかなかったが、これも実戦を通して肌で感じなければ分からないこと。この経験を次につなげることができれば、今回の強化試合が意味を持ってくる。

「マークするのではなく、自分たちの距離感の中で対応する。その質を上げること」。そう課題を口にする佐々木監督は「(グループリーグで対戦する)スウェーデンもこのシステム(4-2-3-1)。カナダも似た形」と明かし、「体験したものを映像で見て、話しながら肉付けしたい。ありがたい相手と試合ができたので、これをオリンピックへの財産にしたい」と、この日の教訓を本番に生かすつもりだ。

 日本がF組を首位で突破し、フランスがアメリカと同組のG組を2位で通過した場合、準々決勝で再び激突する。グループリーグを突破したうえでメダルへの“第一関門”となるベスト8での再戦を見据え、「またフランスとやったときには粘りだったり、自分たちを出し切る自信もある」と力説した指揮官は「僕自身、そんなにガッカリはしていない」と、五輪での“リベンジ”に自信を見せていた。

(取材・文 西山紘平)

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