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2位狙いを否定する佐々木監督、「チームを乱さないで」

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[7.28 ロンドン五輪F組 日本0-0スウェーデン コベントリー]

 すべての試合で勝利だけを目指す。スウェーデンと勝ち点4で並び、得失点差でF組2位のまま最終戦を迎えることになった日本女子代表(なでしこジャパン)。佐々木則夫監督は31日のグループリーグ最終戦・南アフリカ戦に向け、「次はもっといい準備をして、今日よりもいい試合をする。勝ち点3を狙いに行くに尽きる」と力説した。

 最終戦では日本が南アフリカ、スウェーデンはカナダと対戦する。もしスウェーデンが引き分け以下の場合、日本は勝てばF組首位に浮上。ともに勝った場合でも、得失点差でスウェーデンを上回れば首位に立つ。しかし、必ずしも1位通過がいいかというと、今大会は事情が少し違う。

 F組を1位通過した場合、準々決勝でG組の2位と対戦することになり、相手は直前の親善試合で敗れたフランスが有力視される。F組2位通過の場合、相手はE組2位で、ブラジルまたはイギリスとなる可能性が高い。準々決勝のことを考えれば2位通過の方がくみしやすいとも言える。

 そんな状況もあって、スウェーデン戦前には佐々木監督が『2位狙いも考えている』との報道が流れた。試合後の記者会見で指揮官は「記者から『2位でもいいのでは?』と聞かれて『あー』って返事したのが、僕のコメントとして出ていた」と、“2位狙い”を否定。「それで選手が動揺したところがあって、選手を正して今日の試合に臨んだ。2位でもいいとか書かずに、チームを乱さないで」と、笑いながらも報道陣を牽制する一幕があった。

 MF阪口夢穂は「(選手は)それぞれ思うことがあっただろうけど、先に監督から言い出してくれた。昨日のミーティングで監督が『明日は勝ち点3を取りに行く』と言ったので、『そうなんだ』って」と説明。「やり方はいろいろあると思うけど、『引き分けろ』『負けろ』というのは難しい」と、選手の心境を明かした。

 あくまで勝ちにいった末のスコアレスドロー。結果的にF組2位のまま最終戦を迎えることになった。南アフリカ戦も勝利を目指すことに変わりはない。その結果、逆転での首位通過を果たせば、チームは勢い付くし、たとえ2位通過となっても、それはそれで結果オーライと言えるかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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