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クラブで出番のない長谷部、3週間ぶり公式戦へ「経験でカバーする」

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 新潟合宿中の日本代表は5日、東北電力ビッグスワンスタジアムで公式練習を行い、6日のキリンチャレンジ杯・UAE戦に向け最終調整した。右足首痛のDF長友佑都(インテル)は前日4日に続いて別メニューで調整。UAE戦は大事を取って欠場する可能性が出てきた。

 アルベルト・ザッケローニ監督は練習後の公式会見で長友について「明日の段階で足首の状況を見て、100%でなければリスクは冒したくないので、使わないことになると思う。明日の段階でチェックしたい」と説明。11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)を見据え、起用を見送る可能性を示唆した。

 一方で、所属するボルフスブルクで出場機会に恵まれないMF長谷部誠(ボルフスブルク)については「長谷部の場合は状況がまったく変わる」と指摘。「彼は現在の所属チームでなかなか試合に出れていない。試合をする必要があるし、試合勘を取り戻さないといけない。(8月15日の)ベネズエラ戦でも出したが、明日の試合はできれば90分間やってもらいたいと思っている」と語った。

 今季、プレシーズンのキャンプメンバーから外されるなど、クラブから事実上の戦力外通告を受けた長谷部。「アマチュアで練習していたのは3、4日ぐらい」と、8月20日からはトップチームの全体練習に合流したものの、マガト監督が「移籍の可能性がある選手のままだ。他のクラブと合意すれば(移籍は)実現するだろう」と語るなど、今夏の移籍は濃厚とみられていた。

 長谷部自身、近年はSBで起用されることが多く、本職であるボランチでのプレー機会を求め、移籍先を模索していたが、今月1日の自身のブログでチームに残留することを明言。ボルフスブルクに残る決断を下したが、翌2日のハノーファー戦もベンチ外となるなど、今季はいまだ公式戦で出場機会はおろか、ベンチ入りさえない。

「試合に出ていないという部分では皆さんが心配してくれるのも分かりますけど、プロで11年やってきて、試合に出ていないときもあった。そういうときの一発目の試合は試合勘が多少ずれることもあるけど、そこは経験でカバーしないといけない」

 チームでは出番がなくても、代表では不動のボランチであり、キャプテンでもある。不安がないわけではないが、それを言い訳にすることはできない。「代表は調整の場ではないし、結果を出さないといけない。結果を出さないと選ばれないところだし、そこは自分の中でクリア。90分やるつもりでいるし、やれる自信もある」。8月15日のベネズエラ戦以来、3週間ぶりの公式戦。周囲の不安視する声を打ち消すには、ピッチ上のプレーで見せるしかない。

(取材・文 西山紘平)

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