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本田の代役濃厚、11か月ぶり先発へ憲剛「いつでも準備はしている」

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 欧州遠征中の日本代表は10日、パリ郊外で練習を行った。冒頭15分間は報道陣に公開されたが、右ふくらはぎ痛のMF本田圭佑(CSKAモスクワ)は前日9日に続いて軽いジョギングなど別メニュー調整だった。本田に代わって12日のフランス戦にトップ下で先発出場する可能性が高まっているのがMF中村憲剛(川崎F)だ。「いつでも試合に出る準備はしている。がんばりたい」。短い言葉に決意を込めた。

 中村が先発となれば、昨年11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)以来、約11か月ぶりだ。本田が昨年9月に右膝を手術するなど代表から遠ざかっている間、昨年10月11日のW杯アジア3次予選・タジキスタン戦(8-0)、11月11日の同タジキスタン戦(4-0)、そして北朝鮮戦と3試合連続でトップ下を任された中村だが、今年2月24日のアイスランド戦(3-1)はMF柏木陽介、同20日のW杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦(0-1)はFW香川真司がトップ下に入った。その後は、復帰した本田がトップ下で7試合連続先発中。中村にとっては、2012年初の先発チャンスで再び自分の存在価値を高めたい一戦になる。

 その相手に不足はない。敵地でのフランス戦に向け、「この3日間の練習は、フランスをだいぶ意識していた」と、チームとしてフランス対策は着実に進んでいる。「相手を外す動きはこっちでも使える。いかにフリーになって前を向くかがポイント」と話す中村はトップ下でのプレーについて「サイドに入ったら2対2でも仕掛けろと(監督は)言っている。そこにどう絡むか。自分が絡めば3対2になるし、2人で崩せるなら自分は中に入ればいい。選択肢は頭に入っている」と、すでにイメージはできている。

 日本代表の欧州遠征といえば、岡田武史前監督時代の09年9月のオランダ遠征が記憶に新しい。同年6月に南アフリカW杯出場権を獲得し、W杯への“試金石”として敵地でオランダと対戦した。結果は0-3の完敗だったが、このオランダ戦にも4-2-3-1のトップ下で先発出場していた中村は「負けたけどよかったというか、そのときの日本代表の立ち位置が分かるし、いろんなことが見えた」と指摘する。

「足りないところ、通用するところを見つけて、成長する糧になればいい。やるだけなので。今の日本の戦い方でぶつかればいいと思う。守ったりするんじゃなくて、ぶつかって見つかることが必ずある」。世界に出たとき、今の日本の実力はどの程度のレベルにあるのか。FW前田遼一、FW岡崎慎司に加え、本田も不在となる可能性が高いが、チームとしてフランスと渡り合うことができれば、ザックジャパンにとってこれ以上ない収穫を手にすることができるはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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