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チームメイトも驚くカズの成長度「短期間でここまでなるとは…」

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[10.24 フットサル国際親善試合 日本代表 3-3 ブラジル代表 代々木第一体育館]

 FP三浦知良のフットサル日本代表デビュー戦。確かにカズは日本サッカー界のレジェンドだ。だが自身も「Fリーグの試合に出ましたけど、僕は初めてに近い」と語るとおり、フットサルに関しては“素人”と言っても過言ではない。第一、世間を巻き込み賛否両論が渦巻いている。だがチームメイトたちは驚きをもってその瞬間を迎えていた。

 平日の夜に8,236人を集めたスタンドの視線を一挙に集めたプレーには、ドリブルにしろ、動き出しにしろ、まだまだサッカーのそれをイメージさせるプレーも多かった。だが自陣に戻り、慣れない守備を懸命にこなすなど、数々の輝かしい経歴を持ちながら、新たに吸収しようとしている姿勢に、FP北原亘(名古屋)は驚きの表情を浮かべた。

「本音をいうと、正直驚いています。サッカーからフットサルに変わって、いろいろ覚えなければいけなかったり、違う面が多々あります。なによりあの年齢で柔軟に受け入れる姿勢がある。あの経験を持っているのに。その態度が素晴らしい。成長度合いから言えば、一フットサル選手になっているのかなと思います。今はフットサルの話が普通に出来る。たとえばアラがどういう位置にいるだとか、セットプレーでもっとこうした方がいいだとか。お互いに意見を出せる。本当はこんな短期間でここまでなるとは思っていなかった」

 同じく“代表デビュー戦”となったFP森岡薫(名古屋)も同じような感想を持っていた。

「いろいろな意見がある中、カズさんはきっちり仕事できたと思う。なので言うこともないですし、もう戦力になっている。ここで証明できたと思う」

 出場機会3回のデビュー戦。合計プレータイムが7分間でも会場は沸いた。だがこの試合は親善試合。話題を集めるには十分だが、それ以上に今後は“戦力”としてどこまでやれるかが、大事になってくる。北原は続ける。

「もちろんやっている本人も感じていると思うし、仲間も戦力として活躍してほしいと思っている。だが、ちょっとしたコミュニケーションだったり、守り方のミスだったり、オフェンスのポジション取りだったり、細かいところですね。時間があるので本番までにやれればいいと思う」

 11月1日の本大会初戦の相手も世界王者ブラジルが相手だが、この試合まで12戦して全敗の相手だった。引き分けながら、初めて王国相手に迫る結果を残した。その陰には少なからず、45歳の見せる姿勢がチームを成長につなげている。

(取材・文 児玉幸洋)

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