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ザックのゲキに闘志、宇佐美「持ち味をどんどん出していく」

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 14日のW杯アジア最終予選でオマーン代表と対戦する日本代表は13日、試合会場のスルタン・カブース・スポーツコンプレックスで公式練習を行った。前日12日夜に合流した海外組を含めた全23選手がそろっての初練習。腰痛のDF駒野友一(磐田)はグラウンドに姿を見せたが、別メニューで調整した。

 昨年6月のキリン杯以来、1年5か月ぶりの代表復帰を果たしたFW宇佐美貴史(ホッフェンハイム)は公式練習を終え、「1年半前よりプレーのし心地がよかったというか、自然とできた。1年半前より、いい感じでできた」と手応えを口にする。今季、移籍したホッフェンハイムでは9試合連続先発中。「試合に出ていれば(代表招集も)あるかなと。準備はしていた。逆に試合に出てないと、そういうチャンスもない」と、ドイツでの経験が確かな自信を植え付けている。

 しかし、そんな宇佐美に対してアルベルト・ザッケローニ監督は厳しい姿勢を崩さない。昨年のキリン杯では「現時点では彼は代表チームには値しない選手だと思っている。A代表というわけではなく、五輪チームの存在として認識してもらいたい」と、あくまで将来性を見越してのA代表初選出だったことを強調。今回も「2年がたって大きくは成長していない。今、彼がやっているのは、2年前にできていたことを現在もやっているだけの状態だと思う」と、あえて厳しい言葉でゲキを飛ばした。

 そんな指揮官の言葉に対し、「持ち味をどんどん出していきたい。攻撃の選手はそこしかない」と静かに闘志を燃やす宇佐美は「代表に入って、こうしてやれていることが大事。監督の意図は意図としてあると思うけど、こういうところに来れば刺激もあるし、自分に還元するところは還元していくことが大事」と、自分自身のプレーに集中している。

「左からの突破だけでなく、ギャップで受けて突破を仕掛けたり、右に流れて突破したり、突破のバリエーションを増やすことが課題だし、持っているものでもある。そこを研ぎ澄まして、試合で出していきたい」。狙うはデビュー戦初ゴール。指揮官を見返すには、ピッチ上のプレーで証明する以外にない。

(取材・文 西山紘平)

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