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弱点を補うより、長所を出すことが重要と説くFW岡崎

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 W杯アジア最終予選のイラク戦に向けて、FW岡崎慎司は士気を高く保っている。すでに日本は5大会連続のW杯出場を決めているが、「今はとにかく上のサッカーを目指しているので、全然これが消化試合だと思わない。代表の試合である以上、勝たなければいけないんで、いつも通りの大事な試合」と、言い切った。

 活動が限られる代表では、短い期間の中で、互いの意思を共有することが特に大事になってくる。W杯で結果を残すためにも、岡崎は一人ひとりが長所を出し続け、自然に長所を出し合える状態までチームの完成度を高めていく必要性があると、語気を強めた。

「自分の見解ですが、お互いが自分たちの良いところを引き出すこと。みんなの良さは違うと思うので、その良さをもっと世界レベルに引き上げていく。世界で戦う上で自分の武器が、どこまで上げられるかが必要になってくると思う。さらに、そういう部分をお互いが出すためには試合が必要。ガンガン(良いところを)出し合って、コンビネーションが合わなくても、それを合わせるというより、勝手に合っていくのが理想。上に行けば行くほど、みんなが(意識的に)合わせているかといえば、そうではなくて、やっぱり勝手に合っていく感じだと思う」と、持論を展開した。

 岡崎自身も、これまでは弱点を補うことを考えてきたというが、これからは長所を前面に押し出したいと話す。「これまではドリブルとか、自分にないモノを身に付けようとしていました。もちろんそれも大事ですし、やっていかなければいけません。ただ、それよりも自分の武器はスペースに出ていく動きだと思った。例えばダイアゴナルで崩せないなら、逆のダイアゴナルで崩しに行くとか。いろんなダイアゴナルのパターンを身につければもっとスムーズにボールを受けられる。もっと世界で通用するためには、走りを生かして、何回も動き直して、抜けて出て来たボールをシュートにつなげる。それを決めていく」と、ストロングポイントを磨いていくことを誓った。

 所属するシュツットガルトで岡崎は、シーズン終盤はスタメン出場できなかった。イラク戦は、コンフェデレーションズカップ目前の最後の試合ということもあり、コンディションについても「試合に出て上げていきたい」と鼻息は荒い。W杯出場権を決め、あらためて自身の長所を再認識したアタッカーが、イラクゴールに襲いかかる。
(取材・文 河合拓)

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