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目覚めたストライカーとしての本能、岡崎「貪欲にゴールを狙う」

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 ドイツでの悔しさが、ゴールへの飢えをかきたてた。日本代表FW岡崎慎司(シュツットガルト)が3日午前、日本に帰国し、同日午後の練習から合流。強行日程となる4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)へ、貪欲にゴールを狙う姿勢を示した。

 やはり引き分け以上でW杯出場が決まるはずだった3月26日のヨルダン戦は1-2の敗戦。「もっと自分のいいところを出して、貪欲にゴールに向かっていければよかった。そういう気持ちで次は臨みたい」。あらためて反省の言葉を述べる岡崎。ヨルダン戦前には「(点を取るのが)自分じゃなくてもいい。自分が点を取りたいというより、チームとして勝ちたい」と話していたが、この日は一変して「点を取れればFWとしてはうれしいし、チームのためになるなら貪欲にゴールを狙っていきたい」と強い決意を口にした。

 0-2で敗れた5月30日のブルガリア戦については「ハイライトぐらいしか見ていない」という岡崎だが、「結果、0-2で負けたのは、自分を含めてFWとしてダメなこと。(自分がフル出場した)ヨルダン戦でも1点しか取れていない」と、決定力不足を指摘されるチームに対し、責任の一端を感じている。

 ゴールへのこだわりを強めたのには、ドイツでの苦い経験が一因としてある。6月1日に行われたDFBポカール(ドイツ国内杯)決勝は0-3の後半18分から途中出場。ポスト直撃のミドルシュートがゴールにつながるなど流れを変え、チームはバイエルン相手に2-3まで追い上げる怒涛の反撃を見せた。しかし、岡崎自身は後半ロスタイムのヘディングシュートも枠を外すなどゴールを奪えず。「決め切れないのは自分の実力。今季はそういうことが多かった」と悔しさを味わった。

「自分が試合を動かせたとは思っているけど、点を取ればもしかしたら優勝に導けたかもしれない。責任も感じているし、悔しさもある。点を取らないと、欧州ではFWとして認められない」。今季のブンデスリーガはわずか1得点。ドイツで味わった悔しさが、あらためてストライカーとしての本能を呼び覚ました。

 代表初ゴールを決めた09年1月20日のイエメン戦から岡崎が国際Aマッチで得点した試合は20勝1分。継続中の不敗神話について「そうなるように責任を持って試合に臨みたい」と言う。「それが自分のいる意味だし、FWとして貪欲にゴールに迫ることが自分の価値でもある。FWとしてのメンタリティーから逃げずに戦いたい」。09年6月6日にタシケントで行われたウズベキスタン戦で1-0の決勝点を決め、岡田ジャパンを南アフリカW杯出場に導いたストライカーが、史上初となる2大会連続のW杯出場決定弾を狙う。

(取材・文 西山紘平)

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