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ロンドン五輪の雪辱誓う清武&吉田

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 ベスト4に進んだロンドンの夏を思い出していた。出番のなかったイタリア戦。MF清武弘嗣(ニュルンベルク)は、前線から激しく相手を追い、果敢にボールを奪いにいった攻撃陣の姿をベンチから見つめながら、「ロンドン五輪代表チームのようだ。これが日本の形だ」と感じ、胸を躍らせていた。

「ああやって前からプレッシャーをかけていく。後半は少し落ちるだろうけど、先制点を取ったら大きい。日本はああいう戦いをしたらすごくいいんじゃないかと思った」

 清武だけではない。ベンチに座っていたメンバーたちは「見ていてワクワクする」「見ていて楽しい」と口々に言い合っていたという。

 そのロンドン五輪ではウェンブリースタジアムで行われた準決勝でU-23メキシコ代表と対戦し、1-3で敗れている。U-23日本代表は前半12分、FW大津祐樹のミドルシュートで先制したが、同31分にセットプレーから大会初失点を喫し、後半20分にミスから勝ち越しゴールを献上。後半ロスタイムには3点目を奪われて逆転負けし、3位決定戦に回った。

 一方、決勝に進んだメキシコはブラジルを下して初の金メダルに輝いた。今回のコンフェデ杯にはロンドン五輪メンバーの中からドス・サントスをはじめ、4人が名を連ねている。清武にとっては、雪辱戦ともなる一戦だ。

 五輪とはメンバーは違うが、チームの特色は一緒だ。ボールポゼッションがうまく、粘り強いサッカーが持ち味。だが、隙がないわけではない。「今日のミーティングでしっかり分析をした。特にサイドの部分がポイント。サイド攻撃がすごく重要だと思う」と言う。

 その上で、イタリア戦で見せた日本の戦い方をさらに推し進めることが重要だというのが清武の考え。「僕が出たら、まずはボールを追わないといけないし、走らないといけない。イタリア戦のようなプレーを自分もできればいいと思う」と意気込んだ。

 同じくロンドン五輪にオーバーエージとして出場し、主将を務めていたDF吉田麻也(サウサンプトン)にとってもリベンジマッチとなる。ロンドン五輪では前半31分のセットプレーで「僕のミスで失点した」と言い、「あの負けは悔しかった。借りを返したい」と力を込めた。もちろん、イタリア戦の2失点目の場面で犯したミスの汚名も返上しなければならない。

 コンフェデ杯最後の戦いで日本らしい戦いを見せ、しっかり勝利で締めくくることが、1年後につながっていく。それは全員の共通意識。加えて清武や吉田にとっては、ロンドン五輪からの成長を示す一戦でもある。

(取材・文 矢内由美子)

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