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「ずる賢さがある」スアレスを警戒する吉田

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 日本代表ディフェンス陣の失地回復を期しての戦いに、DF吉田麻也(サウサンプトン)が、昨季プレミアリーグで23得点を挙げたFWルイス・スアレスを「ずる賢さがある」と警戒した。

「南米っぽい選手。例えば、ニアに入ってくる瞬間に体をぶつけてきたり。日本人やアジアのストライカーが持っていないような感覚を持っている選手だと思うし、プレミアでもなかなか少ない選手だと思う」

 その印象は昨季イングランドプレミアリーグで2度対戦した中で持ったものだ。アウェーでは0-1で敗れたものの、ホームでは3-1で勝利をおさめるなど、結果では吉田側も負けてはいない。スアレスのゴールも2試合でゼロに抑えた。だが、南米のストライカーが放つ独特の危険な香りは今も吉田の胸に残っている。

「(サウサンプトンは勝ったが)リバプール自体があまり良くなかったですから……。でもスアレスだけはやっかいでしたね。中へ入ってくるときは怖さがあった」

 吉田が厳しい表情を浮かべるのは無理もない。そもそもウルグアイは10年W杯ベスト4、11年南米選手権優勝、先のコンフェデレーションズ杯も4強。世界トップレベルに立とうかという強豪国だ。

 その中でスアレスは、10年W杯MVPのフォルランと並ぶエース格で、先のコンフェデ杯準決勝でウルグアイと対戦したブラジルのスコラーリ監督は「スアレスはプレミアリーグのベストプレイヤーの一人」と名前を挙げて警戒していた。今回はもう一人のエース、カバーニが出場を辞退したため、スアレスにかかるゴールへの期待はより大きくなっている。

 吉田にとってはもうひとつ、楽しみな対戦もある。ウルグアイにはサウサンプトンの同僚であるMFガストン・ラミレスもおり、こちらも出場してくる可能性が高い。コンフェデ杯3試合で9失点と撃沈した日本守備陣が衆目の中で試される今回、スアレス、フォルラン、ラミレスらを抑えることが失地回復につながる。

「勝ちにこだわるし、失点を減らしていかないといけない。プレッシャーは今に始まったわけではなく、ずっとある」という吉田。大勢が抱いている不安を吹き飛ばすためにも、スアレスを封じ込め、失点をゼロに抑える決意だ。

(取材・文 矢内由美子)

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