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「スカッとした」開幕弾、岡崎はウルグアイ戦へ気力充実

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 体は疲れていても気力が充実している。12日に帰国したばかりの日本代表FW岡崎慎司(マインツ)も14日のウルグアイ戦(宮城ス)に向け、試合前日の練習から合流した。準備期間はわずか1日。時差を含めた長距離移動はコンディションの面で不安材料になるが、その表情は疲労の色を感じさせなかった。

 今夏にマインツに移籍して迎えた11日のブンデスリーガ開幕戦。昨季まで所属していたシュツットガルト相手に決めた開幕弾は、岡崎にとって特別な意味があった。

「気持ちが入っていたので。2年半で思っていたものを出す場だった。シュツットガルトでちょっと引きずっていたものがスカッとした。なんで出られないのか、どうしたら出られるのか、いろんなことを考えていた。マインツに溶け込む意味でも大きかった。このゴールで信頼してくれると思うし、練習試合でも攻撃陣で僕だけゴールがなかった。大事なところで取れてよかった」

 シュツットガルトに所属していた昨季は25試合に出場し(うち先発は11試合)、わずか1得点。代表では点を取れても、クラブではゴールが遠い。出場時間も徐々に減り、悪循環に陥った。昨シーズン中には「どこかネガティブになっているというか、チーム(シュツットガルト)では負の感覚が出てしまっているのかなと。それを早く払拭したい」と悩める胸中も明かしていた。何よりも欲しかった所属クラブでの結果。新天地で踏み出した最高のスタートは、日本代表にも好影響を与えるはずだ。

 東アジア杯で活躍したFW柿谷曜一朗ら新戦力が加わった今回のメンバー。「僕はJリーグも見ているし、代表でもやれる力を持っていると思う。あとは自信を持ってやれるかどうかだと思うし、そのサポートをしたい。僕もいろんな人に声をかけてもらった。高木和道さんとか俊さん(中村俊輔)とか(中澤)佑二さんとか、いろんな方にお世話になった。自分がそういう役割を果たしていけるようにしたい」。かつての自分が先輩に支えられたように、今度は自分が後輩たちのサポートをしていくつもりだ。

「そのうえで競争がある。競争意識が出てくれば、日本代表自体が上にいける」。歴代4位の国際Aマッチ35ゴールを記録している岡崎。37ゴールで歴代3位の原博実氏まであと2点と迫っているストライカーには、チームを引っ張っていく自覚も芽生えている。

(取材・文 西山紘平)

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