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かつて森保体制下で挫折も経験…MF稲垣祥は初招集に驚きも「あれがあったからいまの自分がある」

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日本代表MF稲垣祥(名古屋)

 MF稲垣祥(名古屋)にとって、今回の日本代表参加は初招集という事実以上に大きな驚きをともなうものだったという。28日のオンライン取材で「あらためて森保さんがフラットに選手を見てくれているんだなというのが伝わりました」と4年前のエピソードを振り返った。

 稲垣は2017年、3シーズンにわたってプレーした甲府から広島に加入。当時の指揮官が森保一監督だった。「試されているな、というのをずっと感じながら日々の練習をしていました」。開幕4試合のうち3試合に先発したものの、その後は8月下旬まで出場なし。その年はレギュラーでシーズンを終えたが、ようやく出番を得られたのは森保監督が辞任してからのことだった。

 そのため、今回の追加招集を「正直ビックリしました」と振り返る。そして、続いたのが冒頭の指揮官に対する言葉だった。

「あらためて森保さんがフラットに選手を見てくれているんだなというのが伝わりましたし、あの時はなかなか試合に絡めないことが多く、自分自身のキャリアのなかでも苦しい時期だったけど、あれがあったからいまの自分がある。いろんなものを経験した姿を、あらためて森保さんにしっかり見せたい。こういう舞台であらためて一緒に仕事ができることを、よりうれしく思います」。

 いまや名古屋でマッシモ・フィッカデンティ監督のもと、Jリーグ屈指のボランチに成長した稲垣。その飛躍を支えたのは「サッカー選手の多くが試合に絡めない時期を経験する中、そういった時期にどのようなメンタルで、モチベーションで練習からやれるかが選手として大事。自分はやり切れる選手でありたいという思いをずっと抱えながらキャリアを過ごしてきた」という当時の経験も活きていたようだ。

 そんな稲垣は今回の合宿を経て「さらにサッカーが上手くなりたいという思いは強まっている」という。「テンポの速さとか、インテンシティーはレベルが高いし、リーグで戦っているだけでは感じられなかった部分」と現状の立ち位置を見据えつつ、「森保さんもベースのところで相手に負けず、さらに日本として何ができるかを求めている。自分自身もそういったところは負けられないポイントだと思うので、より出せるようにしていきたい」と意気込みを語った。

 またそういったプレー面だけでなく、ピッチ内外の振る舞いにも自身の伸びしろを見いだしている。日本代表選手を「パーソナリティーの強さがある」と評した稲垣は「声がけも、振る舞いも、プレー中の立ち姿も、プレーの選択や判断の仕方もそう。あらゆる意味でパーソナリティを兼ね備えているからこそ、代表でやっているんだなというものを感じる」と説明。名古屋でも「自分がもっともっと上げないといけないし、やれるところ」と向上を誓った。

 そうした長期的な目線を持ちつつも、目の前の一戦への熱量も失ってはいない。A代表デビューのかかるカタールW杯アジア2次予選モンゴル戦に向けて、「チャンスがあれば、カバーエリアの広さ、ボールを奪うところ、ミドルシュートという自分自身の良さを出していきたい」と力を込めた。

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