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移籍決断の裏にもあった“目標”…GK権田「最終予選を正GKとして勝ち抜く」

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日本代表GK権田修一(清水)

 W杯アジア2次予選のここまで6試合中5試合に出場し、いずれも無失点に抑えている日本代表GK権田修一(清水)が31日、オンラインで報道陣の取材に応じた。
 
 日本は既にアジア2次予選の突破を決めている中で今月、親善試合を含めて4試合を行う。ただし、守備の中心メンバーであるDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航はオーバーエイジ枠で、そしてDF冨安健洋もU-24日本代表活動のためにA代表を離れた。権田はその状況を指摘し、「そういう選手たちがいなかったから失点したと言われないようにすることが僕の中では大事。最終予選では出場停止もある。今回のこのA代表のメンバーでしっかり結果を残すところから準備していきたい」と抱負を語った。

 今季は出場機会を求めてポルトガル1部のポルティモネンセから期限付き移籍で清水に加入した。ここまでリーグ戦全15試合にフル出場中だが、チームは3勝6分け8敗でリーグ暫定15位と低迷しており、GKの評価としては難しい状況だ。だが、権田自身には無失点に抑えることだけが良いのかという疑問もあるという。

「僕がアジア2次予選でたくさん出てゼロに抑えたが、はたしてそれが大事なのか。(今年3月に14-0で勝利した)モンゴル戦(〇14-0)はシュート枠内がおそらくゼロ。でも、(昨年11月に0-2で敗れた)メキシコ戦のような難しい相手にチームのピンチを何度も防ぐことで評価されるのかというのも感じる」。

 実際、清水では相手に攻撃される時間帯が長く、権田自身もシュートを防いではいるが勝てないという試合が多い。

「僕自身は勝てるGKが一番良いと思っているので、それならシュートがぜんぜん来ないけどゼロで抑えて勝てるチームの方が評価さるのか。GKの評価の基準は僕もわからない」と苦笑い含みで吐露した。

 そんな中で現在の権田が目指しているのは最終予選で正GKとしてプレーし、勝ち抜くこと。意識しているのはW杯3大会連続出場し、アジア最終予選を2度経験しているGK川島永嗣(ストラスブール)だ。

「僕はずっと永嗣さんが目標。年を重ねてもそこ(欧州で試合に出ること)へチャレンジしてこうやってポジションを奪い、しっかり戦うこと」と言う。そのうえで、日本に戻った理由を「最終予選で自分自身がプレーすることが必要だと思っているから」と語った。

「僕はブラジルW杯のときはベンチに置いてもらっていたが、最終予選に出たことがない。世界で戦う上では、最終予選で勝ち抜く経験をすることが大事。そのために、自分自身が試合に出続けることが必要と考えて日本に戻った。それは隠すことじゃない」。

 カタールW杯は1年半後に控える。権田が出るなら33歳。「最終予選に出て勝ち抜くことが大事」と強調しながら6月の残り4試合を見据えた。

(取材・文 矢内由美子)
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