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言い訳避けた吉田麻也、森保監督とも「戦術だけでなくいろんなことを話さないといけない」

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日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)

[9.2 W杯最終予選 日本0-1オマーン パナスタ]

「言い訳は通用しない。それができないなら日本代表になる資格はない」。カタールW杯最終予選オマーン戦の試合後、主将のDF吉田麻也(サンプドリア)は前回大会に続く初戦黒星の責任を背負った。

 約1か月間にわたって強化合宿を続けてきたオマーン代表と、全員が同じメニューの全体トレーニングは前日の一度だけだった日本代表。チームのクオリティの違いは明らかだった。つくった決定機は吉田のロングフィードからMF伊東純也がシュートをつなげた一度だけ。一方、オマーンはカウンターからのサイド攻撃で常に日本守備陣に脅威を与え続けた。

「ポジショニング、距離感、判断の良さ、集中力。いろいろあると思うが、全部うまくハマっていないと感じていた」(吉田)。

 そうして迎えた後半43分、ボールを奪い切ろうと人数をかけたプレッシングをいなされ、左サイドからのクロスで失点。最低限の勝ち点1さえも、その手からこぼれ落ちた。

「サイドで打開されてしまって、簡単にクロスを上げさせてしまった。自分もニアを消すポジショニングを取るべきだったし、マークのつきかたも良くなかった。大きなミスより細かいミスの重なりが失点を生んだ」。

 失点シーンをそう振り返った吉田は「こうしたじれる試合で後ろがゼロに抑えることが大事。ホームでゼロに抑えて勝ち点1をキープするのは最低限だと思うが、それを果たせなかったことでフラストレーションが溜まる試合になった」と悔しさをあらわにした。

 さらに準備期間の違い、ピッチの水たまり、初戦のプレッシャーなど要因は探せばいくつもある。だが、吉田はそうした言い訳をすべて排した。

「それでも勝っていくんだというのが日本に課されている使命。コンディションが悪いとか、時差があるとか、相手の状態が良いとかは言い訳にならない。ここに来ている限りは日本を背負って戦って、そういう状況でも勝っていくのが使命」。

 そう力説した後、その矛先を自身に向けた。

「それは結果で示していくしかないし、自分が率先してパフォーマンスで示していくしかない」。

 7日に対戦する中国も4人の帰化選手を組み込み、国際Aマッチ期間前から2週間にわたるキャンプを敷いてきた相手。チームとしてのクオリティを高めてきたことが予想される。

 そうした中、森保一監督とのコミュニケーションにも前向きな姿勢を見せた吉田。「これまで国内組、海外組で分かれていて話せる状況がなかなかなかったけど、日本を出れば緩和されるので少しでも話していかないといけない。戦術だけでなくチーム作りもそうだし、いろんなことを話さないといけない」。少しでも状況を上向かせるべく、あらゆる努力を重ねていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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