beacon

10月2連戦は苦しい立場に…柴崎岳「しっかりと自分の中で消化して11月に臨んでいる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF柴崎岳(レガネス)

 日本代表のMF柴崎岳(レガネス)がカタールW杯アジア最終予選に向けた合宿初日の8日、報道陣のオンライン取材に応じた。ベトナム国内の検疫措置により、前日の移動はスペインから直接入国するのではなく日本を経由してハノイ入り。「いつもと比べると移動が長いほうだったので、気をつけて身体を見ていきたいと思っている」とコンディションへの配慮も語った。

 柴崎にとって、10月シリーズは苦しい2連戦となった。

 初戦のサウジアラビア戦(●0-1)では自身のパスミスから決勝ゴールを奪われ、続くオーストラリア戦(○2-1)では4-3-3へのシステム変更とともにスタメン落ち。オーストラリア戦は途中出場から積極的な攻撃参加を見せ、決勝点を導く活躍を見せたものの、ボランチの一角としての立場は安泰ではなくなった。

 それでも柴崎は、冷静な姿勢を保っている。

「自分としては常にベストを尽くしている中で、いいこともあれば悪いこともある。そこは常に勝負の世界なので、そういうことはあるだろうと思っている。そこに関しては受け入れてというか、全ての結果を消化して、勝利しても負けても自分の中でいろんなことを受け入れてやっていくのは常にやっていること。いろんな意見があると思うけど、しっかりと自分の中で消化して11月に臨んでいる」。

 そんな柴崎にとって、11月シリーズはあらためて存在感を示すための2連戦となる。大きな注目点となるのが、オーストラリア戦で初めて採用した4-3-3システムの行方だ。

「一つの中盤の形として機能した部分もあったと思うし、いろんな相手が分析してくる中で、自分たちが変化に対応していかないといけない。そういう時の一つの形にはなるかなと思う」。柴崎がそう語ったように、今後は4-2-3-1と4-3-3を併用して戦っていくことが予想される。

 そうした中、柴崎は「元々攻撃的なタイプで、アギーレの時は4-3-3のインサイドハーフもやった経験がある。4-3-3でやるならああいったポジションのほうが慣れている」と自信をアピール。「2ボランチの時と守備の仕方も攻撃の仕方も変わるので、僕としても戦い方の幅も広がるし、プラスに捉えてオーストラリア戦に臨んでいた」と新システムにも適応していく構えだ。

 ラ・リーガ2部所属の柴崎は国際Aマッチ期間中もリーグ戦が行われており、日本代表での活動を優先して合流している形。今回はレガネスが監督交代に踏み切って1週間しか経っていないこともあり、とりわけ大きな覚悟を持ってやってきた。

「葛藤はさすがにあった。監督が変わって2試合しか経っていないし、週中とこの週末だったので練習も特に積めず、監督の求めていることも最低限しか伝えられていない中での試合だったので、ここ抜けると監督のチームとしてのやるべきこと、求めていることがわからなくなる」。

 それでも柴崎は「それで割り切ってというか、日本代表に選ばれているのは常に光栄だし、いまは日本代表のために戦っていくという気持ちをしっかりと持っている」と日本代表として戦っていく姿勢を強調した。

 そうして迎える初戦の相手はベトナム。2019年のアジア杯準々決勝の対戦では1-0で勝利した相手だが、柴崎は「チームとしてのコレクティブさを感じるチームだった印象は残っている。勤勉にアジリティも活かしながら、フィジカル的にもタフな試合になる。アウェーの地でサッカーが盛んな、人気のある国だと思うし、そういった雰囲気も含めてアウェーのゲームになる」と警戒を欠かさず、「しっかりと気を引き締めてやっていきたい」と力強く語った。

(取材・文 竹内達也)
●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

TOP