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カタールW杯へ前向くMF鎌田大地「ブラジルはドイツ、スペインに比べてワンランク上」

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日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)

 日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)が8日、報道陣のオンライン取材に応じ、キリンチャレンジカップ・ブラジル戦(●0-1)を振り返った。自身のパフォーマンスについては「特別何かできている感じはしないけど、フランクフルトでプレーしているいつもどおりのプレーはできている」と述べつつ、チームの戦い方についても課題と収穫を語った。

 ブラジル戦でベンチスタートだった鎌田は後半ハーフタイム明けからインサイドハーフの一角で出場。途中からはシステム変更に伴ってトップ下のポジションに移り、45分間にわたってプレーした。相手選手に寄せられながらも軽やかなボールタッチでかわすなど、ドイツでのプレー経験を活かして高い強度の中でボール保持を安定させる役目を果たした。その一方、ゴールにつなげるような決定的な働きはできなかった。

 ブラジル戦では強力な攻撃陣を相手に、低い位置で守備ブロックを組む時間も長かった日本。それでも鎌田は「W杯のような大きい大会ではどの国にとっても、自分たちにとっても、先に失点してしまうと相手にアドバンテージを与えてしまう」とローリスクの戦い方には理解を示した。一方、課題と感じたのは「守備はゼロで頑張って耐えていたけど、攻撃にうまく切り替えられなかった」という守備から攻撃へのトランジションだった。

「重心が下がる部分は問題ないけど、取ってからファーストボールをミスしたり、なかなかいいボールを奪い方ができずにいた場面が結構あると思う。僕自身はヨーロッパリーグでバルセロナと試合をした時、ボール支配率は相手が70数%で、僕らは20数%だったけど、シュートは自分たちのほうが多い試合をしている。ブロックを後ろで組むのは悪くないけど、ボールをうまく取ることがすごく大事」

 もっとも、前半に何度かハイプレッシャーをかわされたことが象徴的だが、奪いに行くためのトライは行っていた。

「やり方に関しては監督がどうしたいかが一番大事。でもあの試合に関しては前から行こうという戦術をしていたし、最初は前から行っていた。ただブラジル相手でずっと続くわけではないし、そこでボールを支配されると重心は後ろに下がる。トライはしようとしていたけど時間、45分間それができるわけではない。ずっとやっていても世界レベルの個がある選手がいるので、リスクを負い続けたら間違いなく失点する」

 その上で鎌田は「前から行ける時は行けばいいし、どうしても相手が上だとそれも無理になる時間があるので、どれだけ割り切ってブロックを組んでショートカウンターができるかが大事になる」と指摘。「僕たちが後ろに引いた時、ブラジルは日本のことを崩せていなかった。ブラジルがチャンスになっていたのは奪ってからのショートカウンター。奪ってからがチャンスになる。現代サッカーはそういう風潮になっている。ボール保持できる時はうまく保持するし、上のチームとやるときはそれで崩せたら一番だけど、良い守備で良い奪い方をしてからのショートカウンター。取ってからどれだけ速く相手ゴールに向かえるかが大事になる」とも語った。

 また鎌田の言葉どおり、速攻がなかなか機能しない時間帯でも、試合を支配され続けないためのボール保持にも一定の収穫が見られた。

「ブラジルの選手の迫力というか、プレッシャーを感じていたと思うけど、それでも一応あれだけ前からプレスに来られてもボールをつなぐトライはしようとしていたし、親善試合だからボールを失ってもトライできていた」。そう語った鎌田は「もっと前にうまく進めるシーンはいっぱいあったと思うけど、ああいうビッグプレーヤーがいて、プレッシャーを感じながらできなかったというのが自分たちのいまの実力。自分たちが成長するしかない。ブラジルとこの時期に試合ができて、みんないろいろなことを感じることができたと思うのでよかった」と前向きに受け止めていた。

 5か月後に控えるカタールW杯を見据えても、数多くの収穫があったブラジル戦。本大会初戦のドイツ戦を想定して臨んでいたこともあり、選手からは結果にこだわる声も次々に上がったが、鎌田は「ブラジルはドイツ、スペインに比べても現状ではワンランク上の強いチームだと思っている」と述べ、前向きな展望を口にした。

「スペインやドイツも強いのは強いけど、ワールドカップ優勝した時に比べると苦戦はしている印象はある。僕自身もドイツでやっていて、ヨーロッパリーグでスペインのチームとやったけど、いまの日本ならうまく戦えると思う」

 それほどに「ブラジルは本当に強いなと肌で実感した」と鎌田。「自分たちがブラジルに比べてまだまだ劣っているのは試合をする前から、どこでプレーしているかを見れば歴然だった。ああいうチームがW杯優勝を目標とするようなチーム。自分たちと彼らの差はしっかりわかった。自分たちはあとは成長するだけ。ああいうチームと試合ができてよかった」と前を向いていた。

(取材・文 竹内達也)
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